ゲーム雑誌は難しくて読めない
ゲーム雑誌を出す出版社は、雑誌で新作ゲームを紹介して、そのゲーム発売後に攻略本を売ることで利益を出すのが基本のビジネスモデル。なので、攻略本を買うようなゲームユーザーをターゲットとして雑誌が作られます。 |
また、ゲーム雑誌にはメーカーの思惑が入ります。もちろんゲーム雑誌を編集しているのは出版社ですが、情報を提供しているのはゲームメーカーです。ゲームメーカーからすれば、当然自分のところのゲームを詳しく紹介して欲しいと考えますね。ストーリーは、世界観は、システムは、ワイヤレス通信でマルチプレイもあってオンライン対戦もあって、ダウンロードコンテンツもあって、隠し要素も満載でと、たくさん情報を詰め込みたくなります。
情報を詰め込めば詰め込むほど、ゲーム知識の豊富なユーザーは喜ぶかもしれませんが、ゲーム初心者には読む気にすらならない難解なものになっていきます。
ゲームは最初から大雑把に選別されている
実際、広くライトユーザーまで取り込みたいゲーム程、CM等のマスメディア広告を重視する傾向はあります。 |
このことは、最近良く言われている、売れるゲームと売れないゲームの差が激しくなっているという話、とくにWiiで任天堂のゲームばかりが売れて他のメーカーが苦戦をしていることと深く関係があるように思います。任天堂はニンテンドーDSやWiiでゲーム人口拡大戦略を成功させ、その際に多くの初心者ゲームユーザーが誕生しました。しかし、彼らの多くは自分でゲームを選ぶことがとても難しい状況にあります。何故なら、ゲーム業界はゲーマーを中心に作られていて、ゲーム初心者が受け取れるレベルの情報量でゲームのことを教えてくれる場所はあまりに少ないからです。
結局のところ、お金をかけてテレビCMを含めたかなり大規模な宣伝をしないと、初心者のユーザーにとっては選べる段階に達しないなんてことが、たくさんのゲームについて起こり得ます。つまりそれは、氾濫する情報の中からつきぬけて目立ったゲームだけが選択の範囲に入る、それ以外は存在しないに近しい、そんな状態です。
そう考えると、今の時代、ゲームはその中身が検討されるよりもはるか前に、大雑把に選別されてしまっているのかもしれません。有名なゲームと、そうでないゲームにです。しかし、初心者のユーザーは何もゲームを選びたくないわけではありません。ゲームが選べないだけなんです。