ゲーム業界ニュース/ゲームニュース講座

私のゲームはどこ!(3ページ目)

任天堂のゲーム人口拡大戦略が成功し、ゲームを遊ぶ層は大きく広がりました。しかしそれは、売れるゲームと、売れないゲームの格差が大きくなるという現象を引き起こしてもいたんです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

あなたのゲームはここにあると、教えられたら

トモダチコレクションの図
新規タイトルながら200万本を突破したトモダチコレクションは、ものすごい量の広告宣伝が投じられていました。しかし、どのメーカーでもこれができるかというと、そういうわけにもいきません。(イラスト 橋本モチチ
昔から、有名タイトルばかりが売れるというのは言われていたことです。しかし、ゲーム人口が拡大してゲーム初心者が増えれば増えるほど、そういった現象はさらに進んでいくかもしれません。ごく一部の有名タイトルや、任天堂などの大量宣伝できるメーカーのタイトルにユーザーがわっと集まって、一方で存在の確認すらされないゲームが増えていく、そんな状況が既に感じられます。折角ゲームをやる仲間が増えているのに、それがゲームの芽を摘んでいるとしたら、こんなに残念な話はありません。

ただ、ゲーム初心者の人達は、何もゲームが選びたくないわけではありません。むしろ、こう思っているはずです「私にピッタリのゲームはどこにあるんだろう」と。ですから、その人にあった情報量でその人が喜ぶゲームを伝えることができれば、その人は少しずつ自分のゲームを選べるようになるかもしれません。ゲーム初心者が、ゲームを自分で選べるゲーム中級者になれれば、それはゲーム業界にとってこの上なく大きな利益をもたらします。

今、ゲーム業界は、この問題に全力で取り組む必要があるように思います。それはメーカーも、お店も、メディアも、そしてできることなら、ゲームを愛するユーザーの皆さんも。ゲームを作る現場で、売る現場で、伝える現場で、そして遊ぶ現場で、初心者ゲームユーザーに優しくなって、「あなたのゲームはここにある」と教えることができたら、それは少しずつ蓄積してきっと変化をもたらします。

たくさんの人がゲームに興味をもって、みんながそれぞれ自分の好きなゲームを選び、それにあわせて多様性に溢れたゲームが登場する、そんな未来を目指して、2010年はゲーム業界が次の成熟へと向かっていくことを願っています。

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