テレビで見た卓球の選手のように振ってみる。もちろん、カットだけではなく、ドライブの応酬なんて展開もできたりします。Miiがピンポン台からドンドン遠ざかり、強烈な球を打ち合うピンポンはなかなか豪快ですフワッとした軌道の正体はカットでした。下から掬い上げるように捻って逆回転をかけると、フワッとした球があがります。しかし、ガイドが普通にカットしてもコンピューターのフワッと具合に及びません。もっとフワッとさせたい……。しかも、カットすると球が横方向にカーブするのですが、この曲がり具合もコンピューターのほうが大きく曲がります。コンピューターができるのですから、プレイヤーにだってできるはずです。こうなったらコンピューターから技を盗もうとじっくり観察してみました。すると、コンピューターは球がピンポン台の下に落ちそうになるぐらい待ってから打っていました。なるほど! テレビで放送していた卓球の試合で見たことがあります。素人からするともう球が台の下に落ちてしまってるように見えるところから回転をかけて戻す打ち方。試しにギリギリまで溜めて溜めて引き付けてから、手首を捻って打ってみると、見事にフワッとスピードを殺して大きく曲がる球が打てました。はっと気がついて、今度は台の上で球が跳ねる瞬間を狙って、さっきとは逆にドライブ回転をかけながら打つと、今度は低く鋭い打球で速攻ができます。すごい、楽しい!ただリモコンを振るだけなのに。ピンポンだけでもこの完成度。こんなものが12種目も収録されているんですからたまりません手元にあるのはリモコン1本。しかも、一切のボタンを使わずにプレイできます。ただ振るだけ。にもかかわらず、左右の打ち分け、回転のかけ方、そしてタイミング、スピード。なんという多彩な球が打てることでしょうか。これを駆使して、コンピューター相手ではなく今度は2人で対戦してみると、手に汗握る駆け引きが生まれていきます。最初はただ振るだけ、ボールを打つだけのゲームでした。リモコンを振ると、画面のMiiが同じように動くことはそれ自体楽しいですし、何より誰でも遊べるくらいに分かりやすい。しかしそこからやりこんでいくと、プレイヤーがやることは振るだけなのに、ゲームは限りなく複雑な展開を見せてくれます。対戦するたびに、ここが失敗した、今度はああしてみよう、もう1回、となかなかやめられません。気がつけば、体が熱くなり、汗もかいています。翌朝目覚めた時には見事に筋肉痛でした。本当に凄まじい完成度のピンポン。そしてこの完成度の高さには、任天堂の戦略が隠れています。前のページへ123次のページへ