ドラクエやFFは静的ゲーム

ドラクエ2の図
ドラゴンクエストシリーズのようなRPGでも、戦闘の部分などは比較的動的な要素で作られています。基本的には混在しているんですね
誤解のないように先にお断りしておくと、大概のゲームには動的な部分も、静的な部分もあると考えられます。それを踏まえた上で便宜上、より動的な部分が多いゲームと、より静的な部分が多いゲームにわけてお話をしていきます。

まず先に静的ゲームをご紹介したいと思うのですが、そもそも日本で人気のあるゲームには静的なものが多いです。例えばドラゴンクエスト(以下ドラクエ)シリーズやファイナルファンタジーシリーズに代表されるようなRPGで考えてみましょう。これらのものは、そのほとんどがあらかじめ用意されています。ドラクエシリーズでは広大なマップに、いくつもの城や町、村があり、たくさんの人々が登場します。そのほぼ全てが、当たり前ですがプレイヤーの行動によって新しく生成されたりはしません。

ですから、誰がプレイしても町の人々は、同じ人が、同じようなところを歩いて、同じことをしゃべります。もちろん前述の通り動的な部分がないわけではありませんが、基本的にプレイヤーは皆同じ出来事を体験することができます。それは時に、ゲームプレイの幅の狭さを感じさせることもありますが、一方で誰でも安心して同じストーリーを余さず楽しめる作りになっているという言い方もできます。

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勇者のくせになまいきだor2という、動的ゲーム

勇者のくせになまいきだor2の図
動的ゲームの宿命として、画面写真などではなかなか良さが伝わらないことが往々にしてあります。ゲームの醍醐味がゲーム中に生成されるプロセスにあるからですね
では動的ゲームはどういうものか。その場でプロセスを生成していくという性質は、リアルタイムシミュレーションなどがあてはまることになりますが、こちらは逆に日本ではあまり人気がありません。しかしそんな中、PSP用タイトルの勇者のくせになまいきだor2(以下勇なま2)という、極めて動的でダイナミックなゲームが約15万本のスマッシュヒットになりました。このソフトを例にとって、動的ゲームの説明を試みてみたいと思います。

まず、あなたは魔王に呼び出された破壊神としてゲームをはじめます。破壊神であるプレイヤーが行うことの基本は、マス目状にびっしりと配置された岩をつるはしで削ってダンジョンを作ることです。岩には養分が貯まっているものがあり、養分のある岩を削るとそこから魔物が生まれます。魔物には、岩から養分を吸って、他の岩に養分を吐くニジリゴケや、そのニジリゴケを食べて増えるガジガジムシ、さらにガジガジムシを食べて卵を産むトカゲおとこなどがいて、それぞれが捕食関係を持ち、食物連鎖が出来上がっています。あなたはツルハシで岩を掘り、魔物を生み、ダンジョンの中でより良い生態系を築きあげることで、一定時間後にやってくる勇者を迎え撃ちます。

このゲームの素晴らしいところは、プレイヤーがすることの大部分が、ツルハシで岩を掘るだけであるというシンプルさ。しかし、魔物達はそれとは直接関係のないところでどんどんどんどん食べたり、食べられたり、増えたり、減ったりして、極めて複雑にダンジョンの生態系を生成していきます。

ものの30分程のプレイで、下手をすれば1万匹を超える魔物が生まれ、死んでいくことすらあります。当然プレイヤーは1匹1匹の魔物たちについて、いつ生まれ、何をして、どう死んだのか、完全に把握することはできません。しかし、実際には1匹1匹に誕生の瞬間があり、短い人生があり、最期の時があります。それが、1万匹。ロマンがあります、凄まじくダイナミックです。

静的ゲームには静的ゲームの、動的ゲームには動的ゲームの良さがあります。今後ゲーム業界が発展していく為には、それぞれの役割を見極めていく必要がありそうです。