ゲームブックの限界

FF7の図
ムービーは、静的進化の最たるものかもしれません。初めて登場した時には、大きな衝撃がありました
静的ゲームは、スーパーファミコンまでのROMカセット時代から、PlaystationやセガサターンにおけるCDなどのディスクメディアへ変化した時、大きな進化をむかえています。というのも、静的ゲームは、基本的にあらかじめ用意するものを作りこむことで進化させていくことができるからです。ゲームブックを豪華にするには、物語や挿絵を豪華にしていくしかないのと同じことですね。ですから、メディアの要領が爆発的に増え、ムービーや、生演奏の音楽が使えるようになると、格段の変貌を遂げます。

そういった静的ゲームの進化は今でも続いてはいます。Blu-rayディスクの登場などにより、さらに大容量のメディアに高画質で精密なグラフィック、膨大な物語を詰め込んだゲームが登場しています。しかし、流石にスーパーファミコンからPlaystationへの変わった時の様なあっと驚く劇的な変化は難しく、また開発費の高騰の原因にもなっています。今はまだ良くても、このまま静的な要素を膨張させていけば、遅かれ早かれ限界がくるのではないでしょうか。

静的な要素を動的な要素が爆発させる

PS3とcellの図
静的ゲームから動的ゲームへのパラダイムシフトが起これば、高性能のCPUが今よりももっと生かされる、なんてこともあるかもしれませんね
30分で1万匹を超える魔物が生まれて死んでいく、これはまさに動的ゲームならではのコンテンツであると言えます。もし同じことを静的ゲームの考え方で作ろうとすると、とんでもないことになります。何しろその1万匹全てが生まれてから死ぬまでを用意しなければいけません。逆に言えば静的ゲームではとんでもないと思うようなことでも、動的ゲームは可能にしてしまうということでもあります。

静的ゲームの進化に行き詰まりが見えたからといって、すぐに勇なま2のような、リアルタイムシミュレーションなどの動的ゲームが増えるとは限りません。特に日本では、動的ゲームの文化は一部のコアユーザーに留まっていて、あまり広がっていません。しかし、開発費高騰、ゲーム進化の停滞、これらの問題はいずれ必ず解決するべき事柄です。その方法の1つとして、今まで静的に処理していた部分に動的な要素をうまく組み合わせて、全体としてゲームにダイナミズムを与えていくということは、考えていく必要があるのではないでしょうか。

動的ゲームは、その処理をするゲームハードの性能向上の恩恵を大きく受けます。PSPのような小さなハードウェアで勇なま2のようなゲームを動かすなんて、昔なら考えられなかったことでしょう。高性能化するハードを使い、動的な要素をどう取り込んでゲームを進化させていくかは、これからのポイントの1つになるかもしれません。

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