BDがPS3に与えた影響とSCEの誤算
BDは機能的にはPS3の強力な武器ですが、一方で販売戦略の変更を余儀なくさせる存在でもありました |
PS3はもともとは2006年春に発売される予定だったということを、みなさんは知っていますでしょうか。そうなんです、なんと半年も発売が延びてしまっているのです。その理由のひとつにBDという規格を作っていく作業の遅れがあります。この作業はSCEではなく、ソニーやアップルコンピューターなど多数の企業が協力して運営されている、Blu-ray Disc Associationという団体で行われていました。SCEからすれば、口を出すわけにはいかない、しかしBDの規格ができあがらなければPS3も作れないというジレンマの中、2006年11月発売への延期を余儀なくされました。
しかも、それだけではありませんでした。2006年9月6日、SCEはPS3で使用するBDドライブの青紫色レーザーダイオードの生産が遅れたことを理由として、ヨーロッパでのPS3の販売を3月に再延期、そして北米と日本での出荷数も目標の200万台から大幅に減らすという発表をしました。日本での出荷数はたったの10万台、2日間で100万台を出荷したPS2の後継機としてはあまりに少ないスタートとなってしまいました。
これがSCEにとっては大誤算であり、痛恨の出来事だったことは言うまでもありません。しかし、今後ハイビジョン対応テレビが普及していくと、今度はこのBDを搭載しているということが強みになっていくことでしょう。BDでの遅れはBDで取り戻したいところですよね。SCEにとっての正念場はこれからです。
さて、次世代DVDというものがどういうものか、そして次世代ゲーム機と深い関わりがあるということ、お分かりいただけたでしょうか? 是非年末商戦では、PS3やXBOX360、それにWiiの三つ巴の次世代ゲーム機戦争だけでなく、BDとHDDVDが繰り広げる次世代DVD戦争にも注目してみてください。
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