SCE とMSの新コントローラ
SCEの新コントローラ(仮にEyeコントローラとしよう)は、PS3の周辺機器『PLAYSTATION Eye』を利用する。カメラにスティック状のコントローラを認識させて、画面内をポイントしたり、カメラに映った自分自身に架空の武器を持たせたりといったことが可能だ。実はこの『PLAYSTATION Eye』、PS2時代にも同様なものがあった。
カメラに自分を映して体感ゲームを実現する『EyeToy』である。
筆者は『EyeToy』を見たとき、直感的に「これは受け入れられないかも」と思った。
日本の住宅事情を考えて、全身を使ったゲーム(そしてカメラに余計なものが映りこまない解放された空間)は難しいのではないかと考えたのだ。
事実いくつか魅力的なタイトルが発売されたにもかかわらず、『EyeToy』はそれほど盛り上がらなかった。しかしこれが熱狂的に受け入れられた地域がある。それが欧州だ。
『EyeToy』は欧州で350万本ほどを売り上げる大ヒットとなった。当時、筆者は「国柄の違いだろうか」と思ったものだ。
つまり、体感ゲームのノウハウはSCEも持っているのである。
今回の新コントローラは『EyeToy』から進化した画像認識に加え、コントローラによる新たな操作を提供する。
正確な3D座標の取得、それも俊敏な検出が可能になる。
方やMSのNatalは先進的だ。
高性能カメラにより、複数人の顔を認識したり、ユーザーの指の動きまで検知して操作に使うことができる。
認識には専用ハードウェアを利用し、Xbox360本体には負担させないのが特徴だ。
これにより、従来のゲームであってもNatalで操作可能になる。
これはかなり画期的なことで、対象がアドベンチャーゲームでも、RPGでも、シューティングでも、ユーザーはコントローラすら持つ必要がなくなるわけだ。
もちろんNatalがうたい文句通りに「使える」シロモノだったら、の話だが。
E3では既存のレースゲームが「ハンドルを持つ腕の動き」や「アクセル操作の足の動き」のみで操作できたというレポートがあったが、筆者の印象として、これがストレスなく快適に操作できるかというとかなり疑わしい。
未知のデバイスに対する猜疑心なのかもしれないが、家庭用ゲームではどの家庭でも同様に操作できるデバイスであることが大前提だ。ペットがいるから、部屋が狭いから、家具が多いからなどの理由で誤認識を起こすようでは話にならない。
MSによる大風呂敷だった、というのではあまりに悲しい。それなりのソリューションがあると信じたい。
Wiiのモーションコントローラ、Wiiリモコンは、『Wiiスポーツ リゾート』で同時発売されるアタッチメント、Wiiモーションプラスで強化される。
さて、モーションコントローラで先を行くWiiとその他二社の違いはなんだろう。