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ビジョンなき「第二のWiiリモコン」たち(4ページ目)

E3で発表された、各社の新コントローラ。それぞれ何ができて何ができないのか、そしてその先のビジョンについて考えてみましょう。

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

すべてはソフトが出てきてから

Natalはプロモーションビデオにおいて「驚くほどの性能」を見せる。あの、あまりの反応の良さを考えるに、「こんな技術がありますよ、当社の製品は安心ですよ、Wiiのリモコンなんてなくても大丈夫ですよ」というアピールに思える。
こういったプロモーション手法を不安(Fear)、不確実(Uncertainty)、不信(Doubt)の頭文字からFUDという。
他社に対するプレッシャーのための発表を指す表現だが、Natalについては、カジュアル層へのフォローだけでなく、新たな体験の創出、そして他社へのプレッシャーと、さまざまな役割を持っているのではないだろうか。

方や『PLAYSTATION Eye』はPS2時代に発表された『EyeToy』の延長であり、これを利用するEyeコントローラにしても、Wiiのモーコンに対して圧倒的に有利という印象はない。
「すでにやってきたこと」と「他社の良いところ」で構成されており、新鮮さを感じない。
こちらにしてもPS3独自の体験が提示されているとは言い難く、独自の体験をアピールできていない時点で訴求力に乏しい。

当然の話だが、とにかく、すべてはソフトウェアだ。

ソフトウェアは体験であり、魅力的な体験ができるのであれば(それが独自のMMIでのみ効果的に生かされるのであれば)ユーザーはそのデバイスを購入するだろう。
WiiはWiiリモコンにより魅力的な体験をプレゼントした。今までの実績を持っていれば、一見体重計にしか見えないバランスWiiボードにせよ、コントローラに対するアタッチメントにすぎないWiiモーションプラスにせよ、人々は手にするだろう。
それは「これがあればこんな素敵なことができますよ」というビジョンがあり、それがパッケージである程度完結しているからだ。

提示されるべきビジョンは技術ではなく体験なのだ。

今回の3社のカンファレンスで注目すべきは、MSにせよSCEにせよ、カジュアルユーザーに対して無策ではないというアピールをせざるを得ない状況にあるという事実であり、その事実を両者が認めたということなのではないだろうか。

その発表は本当にユーザーを向いているか、この一点を筆者は問いたい。
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