オンラインの緩やかな繋がり

白い影は他のプレイヤー。赤い血痕に触れると、死んだプレイヤーの死に様が見れる。写真の例だと、裂け目の手前に注意を促すメッセージが書かれている。
このタイトルはフロムソフトウェア開発の『キングスフィールド』とはまったく違うゲーム性だ。
でありながら、「ゲーム進行の上で説明が少ない」「演出過多ではない」「ダークで重厚な雰囲気」など共通点が多い。
主人公の性別や顔までカスタマイズできる点、どのようなキャラクターにでも成長させられるという自由度の高さは古きよきゲームのような手応えを感じる。

また、このタイトルの最も革新的な点は、そのオンラインモードにある。

プレイ時にオンライン接続してあり、かつサインアップしている状況ならば自動的にオンラインモードでゲームは進む。
オンラインゲームが苦手なユーザーでもほぼ強制的にオンラインモードになってしまうわけだが、このタイトルに限っては他者とのつながりは非常に緩やかなものとなっている。

オンラインモードでは、時々他のユーザーがうっすらと見える。
そのとき、他の世界での主人公の姿としてこの世界に投影されるわけだ。
見えるだけで干渉はしないのだが、その行動によって見えない隠し通路に気がついたり、緩やかな連帯感を感じることができる。

また、床には他のユーザーが書いたメッセージが残されている。
これを読むと「この先に宝箱あり」「強敵出現!」「この先の敵には炎が有効」など、先の状況を知ることができる。前のページで「(敵も罠も)自分の身で確認するしかない」と書いたが、他のプレイヤーからのメッセージという形で情報を得ることもできるのである。

また、有用なメッセージを評価すると、メッセージを残したユーザーの体力が回復するという点も面白い。ところどころでピンチのユーザーが「誰か評価してください!」という悲鳴にも似たメッセージを残していたりもする。
当然自分のメッセージを誰か評価してくれると画面にそれが表示され、体力が回復する。
これは割と嬉しい。

また、他の世界のソウル体になったユーザーを召喚することも可能。
どうしても先に進めないときなど、他者の手を借りることができるのだ。召喚された側は、召喚主を手伝ってデーモンを倒せば、自分の世界に生身で戻ることができる。
チャットやボイスチャットには対応しないが、身振り手振りの簡単なコミュニケーションなら可能だ。
逆にその緩やかな繋がりがこのタイトルらしくて良い。他の世界に侵入して他のプレイヤーを倒すことも可能だったり、このシステムを利用した面白い仕掛けも用意してある。

他にも、世界によってその「ソウルの傾向」というものがあり、傾向によって開かなかった扉が開いたりもする。オンラインの場合ではサーバーによって傾向が決まる。
オフラインのようなプレイでも、緩やかに平行世界とのつながりを感じることができる、秀逸なゲームデザインだ。ただのアクションRPGではない哲学的な奥深さすら感じる。

難を言えば、サーバーの不調によりタイトル画面に戻されることがあった。
オフラインで再開すれば戻された場面から再開できるが、これは非常に煩わしい。
サーバー側の事情ならぜひ改善して欲しい。

しかしプレイすると、ほとんどの点は欠点に感じない。ヒント不足や高い難易度はそれ自体が魅力に感じる。
こうなってくると廃人状態のスタートかもしれない。