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『白騎士物語』で王道RPGを考える(4ページ目)

30万本を売り上げた『白騎士物語』。いわゆる王道RPGだが、その出来栄えは?

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

良いところも多い

アバター作成は何時間たっても足りない。
しかしながら、光る点も多々ある。
アバターの作成はものすごい自由度だ。
個人的にはPlaystation Homeの比ではないと感じた。
それくらい、様々なキャラクターを自由に生み出すことが可能である。
その代わりプレイ直後にアバターを作成することになるので、冒険そっちのけで作りこんでしまうことになる。あと、自分に似せすぎると本編の間中微妙な気分を味わうことになるので、お勧めしない。

また、基本的に移動がシームレスなのも嬉しい。店に入るごとの読み込みなどもなく、ゲームの進行はとてもスムーズ。

手に入れた道具が自動的にアイテム倉庫に転送されるのは便利。廃棄できない装備もあるが、装備倉庫に送れば問題ない。合成などの素材集めが手軽なのはいい。

また、R3ボタンを押すと他の仲間に「状況察して何とかして!」と言うサジェストを出すことができる。
回復が欲しいところで押しておくと誰かが回復してくれるのは手軽だ。
だが「何をするか」までは指示できないので、回復を期待していたら近くの敵に全力で斬りかかっていたりして、ちょっと凹む。

巨大モンスターとの戦闘は純粋に楽しい。
シューティングゲームにおけるボムのように、ここぞと言う場面で温存していたACで変身すると爽快だ。
ただ、基本的にゲージの溜まり待ち→○ボタン押すというゲーム性なので1対1だとただの叩き合いになる。足元で味方が頑張っているのもみれるが、もはや戦闘ではあまり関係ない。派手な分戦略性は低いと言える。

次回作に期待!

個人的に、ファンタジー作品の大事なところは「どこかひとつ突き抜けたところがあるか」だと思う。
世界設定なり、システムなり、他の凡庸な作品に埋もれないためには強烈なインパクトがひとつは必要ではないだろうか。
逆にいくつも斬新な要素を取り入れるとプレイヤーが混乱しがちだ。そこのバランスは難しい。

この『白騎士物語』は、もちろん巨大な白騎士に変身できるという部分がシステム・設定の肝だ。
でありながら他の部分は物足りない。
コンサバティブというか、どうもどこかから拝借したようなモチーフが目に付く。

どこかで観たような展開を並べるのが王道ではないはず。
先の読めない展開、様々な人間模様、徐々に明らかになる謎…。そういった吸引力があれば、見違えるような名作になると思う。

続編があるのならぜひ、王道の再考をお願いしたい。
あえて苦言を呈させていただいたが、個人的には非常に気に入った作品だった。ぜひ、さらに洗練された続編が遊びたいと言う気持ちからの苦言である。

ボリューム不足だった『Z.O.E』の続編である『アヌビス』、話の途中で終わった『アーク・ザ・ラッド』の続編『アーク・ザ・ラッド2』など、続編で大化けする作品も多いのである。

さて、今回のメールマガジンでは「コマンドRPGはもう死滅してしまうのか?」を考えてみたい。
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