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『白騎士物語』で王道RPGを考える(2ページ目)

30万本を売り上げた『白騎士物語』。いわゆる王道RPGだが、その出来栄えは?

山道 健介

執筆者:山道 健介

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戦闘システム、アイディアはよし

迫力の戦闘だが、ちょっとだけ操作がこなれていない印象を受けた。
戦闘システムは開発を担当したレベルファイブの代表作『ローグギャラクシー』に近い。
キャラクターをリアルタイムで操作し、ゲージが溜まったら攻撃できるという「半アクション」とも呼べるもの。『ファイナルファンタジー』シリーズのアクティブタイムバトル(ATB)を、さらにアクション寄りにしたものと言えば伝わるだろうか。

操作キャラクター以外はAIで勝手に戦っているので楽だ。だが、もしATBで主人公キャラのみを操作したらどうなるだろう?
基本的にゲージが溜まるのを待ち、溜まったらボタンで攻撃、の繰り返しになる。
つまり攻撃だけで言えばやや単調と言える。
その代わり連続攻撃を自分でセッティングできる。ここぞと言うところで連続攻撃を繰り出すのは爽快で気持ちがいい。連続攻撃は目押しが必要だが、ボタン連打でもとりあえず出せると言うのも手軽でいい。目押しのほうがややダメージが高い。

この戦闘システム、単調と言う意見も聞くが、RPGにアクションを求めない人にとってはむしろこのぐらいのヌルさがいいのかも知れない。

魔法はMP、特殊な技はACと言うポイントを消費するのもオーソドックス。

で、この作品一番のポイントである変身だ。
物語序盤で主人公は変身の能力を手に入れる。
規定のACを溜めると変身が可能で、コマンドスロットから変身を選択すると変身する。
その際短い演出があり、主人公は「変身!」と叫ぶ。
もう、何のためらいもなく「変身!」と叫ぶ。
変な籠手みたいなのに短剣みたいなのをセットして「変身!」と叫ぶ。

このむず痒さこそが『白騎士物語』最大の魅力だと、筆者は思う。

シナリオは王道。演出は良いが、求心力に欠ける

序盤の大事なイベントが終了すると、なんとそこでオープニングが始まる。
初代『ファイナルファンタジー』を思い出すのはおっさんゲーマーのサガだが、この演出はいい。非常にいい。それからお姫様救出の旅が始まるという展開もなんとなく懐かしくていい。

ただ、序盤の「変身!」でぶっ飛んだあとの展開は正直、優等生過ぎる。
どこぞの映画やゲームから拝借したようなシーンが多いと感じたのだが、監修した人は『スターウォーズ』がよほど好きなのだろうか?

しかしRPGに突飛なシナリオ展開は不必要、と言う人にはオススメできる。

システムには少々難アリ

根底にオンライン対応があるからか、システムは非常に汎用性が高いものとなっている。
キャラクターの個性は「覚えられないスキルがある」と言うところで決まる。
キャラクターによって最初から習得できるスキルが決まっていて、装備できるものも決まっている。

一方、アバターは基本的にすべてのスキルを習得することができる。

レベルアップごとに与えられるポイントでスキルを習得し、一定のスキルを習得すると新しいスキルが習得可能になる。だが、「新しいスキルを覚える」と言う実感に乏しい感じがした。新たなスキルのオープン条件が明らかにされないので、習得可能なものから順に覚えていくことになるため、目標が持ちにくい。

買い物や装備などはオーソドックスなRPG然としているが、なんだか操作しにくい点がチョイチョイあったのが不満だった。

そう、投げ出したくなるほど操作性が悪いと言うわけではないのだが、なんとなく引っかかる練りこみ不足差を感じるのだ。
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