はるか沖から届いたウネリは波打ち際でブレイクしますが、波は寄せては返すもの。 ブレイクした後の波はまたアウトへ戻って行きます。 しかし、波打ち際には、次から次へとウネリが届いているので、波の帰り道は限られています。 この、波の帰り道、が、カレント(=離岸流)と呼ばれるものなのです。 また、カレント(current:英語)とは、流れの意で、気流や、時代の流れ、などといった言葉にも使われます。 離岸流は、単にカレントと呼ばれるコトがほとんどですが、正確には、リップカレントと呼ばれます。
カレントは、普通、サンドバーやリーフの切れ目を通っていきます。 しかし、沖からうち寄せる波にぶつかって、そう簡単には沖へはもどれません。 沖からの波に押されて、インサイドでは、砂浜と平行にゆっくり横に流れていき、切れ目のところで沖にむかって一気に流れ出すのです。 このため、沖へ流れ出すパワーはかなりの強さになり、あっというまにアウトへ運ばれてしまい、漂流事故につながってしまうのです。
万が一、カレントにハマってしまった場合、流されていると気がついてパニックになり、慌てて岸に戻ろうとしてはいけません! カレントのパワーは想像以上に強いので、激しく体力を消耗し、最悪の場合溺れてしまいます。 とにかく落ち着いて、あせっていきなり岸に向かわずに、横(=岸と平行)にパドリングして移動してみましょう。 サンドバーやリーフの切れ目を脱出すれば、安全にカレントから抜け出すコトができます。 そして今度こそ、うち寄せる波に乗って、一気に岸を目指して海から上がりましょう。
このような事態を防ぐためにも、波を待つあまり沖ばかりを凝視していないで、常に横と後ろ(岸)を確認しましょう。 浜辺の目立つ建物に合わせる、横のほうの堤防の先端に合わせる、など、自分なりの目印を決めて波待ちをするのがベストです。
また、海に入る前は、最低でも15分(できれば30分くらい)、準備運動をしながらで構わないので、波のサイズだけでなく、海の表面の色、先に入っているボーダーの動きをじっくり観察することをおススメします。 とくに週末ボーダーの方は、先を急ぐように海に飛びこんでしまいがちですが、いざ、海に入ってしまうと、カレントはほとんど判断できません。