ビンディング取り付けのポイントは3つ

ボードとビンディングを自分で取り付け、セッティングをしたことがありますか?まだマイボードを持っていない人は、「セッティングって何?」と思うでしょう。また、マイボードを持っている人でも、ボード購入時にショップで取付けてもらったままという人も結構多いのではないでしょうか?

「取り付け」とは文字通り、ボードとビンディングをビス(ネジ)を使って取り付ける作業のことであり、「セッティング」とは、取り付けの際に、自分の体格や好み、レベルにあったポジションに調節することを言います。実は、スノーボードの上達には正しいセッティングが不可欠なのです。

スノーボードは「バランス」のスポーツなので、まずボードの真ん中に乗ることは基本中の基本になります。そして、そのボードに乗る位置を決めるのが、体とボードをつなぐビンディングであり、その取り付け位置や自分のレベルにあったセッティングが上達への近道になるのです。

ボードとビンディングの取付け方を覚えて、自分にあったセッティングを見つけましょう!

ボードとビンディングの取付け方を覚えて、自分にあったセッティングを見つけましょう!


頭を悩ますような難しいことでもないので、一度自分のセッティングを見直してみましょう。もし、今までおかしなセッティングをしていたとすると、正しく直すだけで、スノーボードが簡単にできるようになりますよ!

取付けの際のポイントは、
  • アングル(ビンディングの角度)
  • スタンス幅
  • センタリング
の3つです。それぞれが滑る時にどんな役割を果たすのかをまず知り、その後に実際の取付け手順にそって実践してみましょう!

アングル

ビンディングは、ベースプレート中央にある円形のディスクによって、取り付け角度を自由に調節できるようになっているので、自分が滑り易いように設定することができます。

ただ、スノーボードは「横を向いて前に進む」という、日常ではあり得ない姿勢で滑るため、慣れるまで少し時間がかかりますので、はじめから真横に向いてボードに乗るよりは、少しでも前を向いてボードに乗った方が滑るのが楽だし、慣れるのも早いと思います。

はじめは両足とも前向きにセッティングしてみよう!

はじめは両足とも前向きにセッティングしてみよう!


ですので、最初は前後共に進行方向に開いて取り付ける(前に振る)のが基本になります。実際の角度(真横を0度として3度刻みで角度を調節できる。進行方向がプラス、反進行方向がマイナス)で言うと
  • 前24度、後9度
  • 前21度、後6度
ぐらいがいいでしょう。そして、「横ノリ」に慣れてある程度滑れるようになったら、逆向きで滑ったり(フェイキーと言います)、スノーボードならではのいろんなトリックに対応できるように、少しずつ横向きにしてみましょう。例えば
  • 前18度、後0度
  • 前18度、後-3度
などです。ちなみに後ろ足の角度がマイナスになる(進行方向と逆側に向く)、がに股スタンスのことを「ダックスタンス」と言います。ゲレンデにある「スノーボードパーク」で、ジャンプやレールで楽しんでいるフリースタイラーは、このダックスタンスにしている人が多いです。

後ろ足がテール方向に開いているのがわかりますね。これが「ダックスタンス」になります。

後ろ足がテール方向に開いているのがわかりますね。これが「ダックスタンス」になります。


ここに書いたのはあくまで目安で、「絶対にこうじゃなければいけない」という訳ではありません。色々な角度を試して、自分にあった滑り易い角度をみつけてみましょう。

スタンス幅

スタンス幅は、前後のビンディングの中心から中心までの距離のことです。つまり、ボードの上に足を置く時の「幅」のことですね。足の開き具合(幅)は、体のバランスに大きく影響します。足幅が広いと安定感はありますが、膝を曲げるスノーボードの基本姿勢を長く維持するために、足の筋力が必要になり、疲れやすくなります。また逆に狭ければ、膝の曲げ伸ばしは楽になる一方で、安定性は落ちるでしょう。

実際にボードの上に乗ってみると、スタンス幅もイメージしやすくなります!

実際にボードの上に乗ってみると、スタンス幅もイメージしやすくなります!


よって、最初は楽に立って、「肩幅」くらいを目安にスタンスを決めましょう。スタンス幅もアングル同様に決まりはありません。色々試してみて、自分の滑りやすいスタンスをみつけましょう。

センタリング

センタリングとは、実際ブーツを履いて板に乗った際に、ちょうど板の真ん中に乗れるよう(重心がくるよう)に、ビンディングの取り付け位置を前後に調節することです。

ボードを横から覗き込んでみると、つま先とかかとのはみ出し具合がわかります。

ボードを横から覗き込んでみると、つま先とかかとのはみ出し具合がわかります。


かかと側やつま先側に偏ってビンディングを付けてしまうと、ボードに乗った瞬間にどちらかのエッジに偏って乗ることになり、極端な場合、真っ直ぐ滑れません。これではうまく滑れないし、上達しないのが当たり前ですよね。

縦に3つ並んでいるネジ穴4箇所を使います。

縦に3つ並んでいるネジ穴4箇所を使います。


ビンディングのディスクプレート(丸い円盤状のディスク)にあるビス穴は、この調節が行えるよう縦長になっているので作業は簡単です。ボードにビンディングを取り付けたら、ブーツをはめてボードからはみ出す「つま先」と「かかと」の量が均等になるように調節しましょう。

取り付け開始!

それでは実際に取付ける際の手順を見ていきましょう!

1.自分のセッティングを決める
まずは上記の説明を参考にして、自分のセッティングを決めます。例えば、
  • レギュラー
  • アングル:前21/後6
  • スタンス:53cm前後
と決めます。説明は、このセッティングで進めていきます。

2.スタンス幅を計る
セッティングを決めたら、まずはスタンス幅から調節します。ボードに付けられた、インサートホール(ネジ穴)は、スタンス幅の調節ができるようにいくつか並んでいます(4×4、4×2などメーカーやモデルによってその数は違う)。

前後ディスクの中央から中央がスタンス幅になります。

前後ディスクの中央から中央がスタンス幅になります。


ですので、はじめにビンディングのディスクプレートだけを取り出して、前後を合わせた時のスタンス幅をメジャーで計ってみましょう。計るのはディスクプレートの真ん中から真ん中です。そして53cm前後のスタンスになるところに決めます。

後ろディスクの中央からテールまでを計ります

後ろディスクの中央からテールまでを計ります


スタンスを決めたら、次は後ディスクの中央からテールまでの長さを計ります(今回47cm)。

前ディスクの中央からノーズまでを計ります

前ディスクの中央からノーズまでを計ります


同様に、前ディスクの中央からノーズまでの長さを計ります(今回50cm)。この結果を見ると、ノーズ部分の方が3cm長いことがわかります。このように、ボードの中心ではなく、少しテールよりに乗るようにセットすることを「セットバック」と言います(今回のボードは、ノーズとテールが同じ形をしたツインチップです)。

セットバックは、それぞれのボード特性により違います。例えば、ボードの形にはツインシェイプとディレクショナルシェイプがあります(参考:「はじめてのギア購入マニュアル1 ボードの選び方」)。テールよりもノーズの方が長い構造のディレクショナルシェイプでは、インサートホールがはじめから中心ではなくテールよりに下げて(セットバックされて)設置されていることが多く、もともとボードのテールよりに乗るような構造になっています。

ボードの説明書には、必ずスペック表(ボードのサイズ詳細)がありますので、セットバックの幅も確認しながらセッティングできるといいでしょう。

覚えておいて欲しいのは、「メジャーで計ったときに、ノーズ側がテール側よりも短くならないようにする」ということ。ボードのノーズよりに乗ってしまうと、単純に滑りずらいのです。複雑そうに思うかもしれませんが、実際にメジャー片手に作業してみると全然簡単なので。自分のボードで色々試案してみて下さい。セットバックなどのわからないことがあれば、購入したショップで聞いてみるといいでしょう。

3.アングルを調節する
スタンス幅が決まり、ビンディングを取付けるビス穴が決まったら、次はアングル角度を設定します。

上から見るとしっかりと角度が入っているのがわかりますね。

上から見るとしっかりと角度が入っているのがわかりますね。


ビンディング本体にディスクプレートをはめ込むと、ディスクには矢印が記されていて、ベースプレートの方には3度刻みで目盛りがふってあります。

ディスクには矢印が、ベースには3度刻みで目盛りがふってあります

ディスクには矢印が、ベースには3度刻みで目盛りがふってあります


アングル角度は、矢印と目盛りを使って調節します。今回は、前21度、後6度に合わせてビスを付けます。これも実際にやってみると、すごく簡単ですのでやってみて下さい。

4.センタリングをチェックする
アングル調節の次は、センタリングのチェックをします。アングルを合わせたら、ディスクの真ん中のビス穴を使い、簡単に仮止めをします。そして、ビンディングにブーツをはめ込んでみて、ブーツがボードの中心に乗っているか確認します。

ドライバーを使ってつま先のはみ出し具合を確認します。

ドライバーを使ってつま先のはみ出し具合を確認します。


確認の仕方は、テール部分からボードを覗き込むこと。つま先側とかかと側のブーツのはみ出し具合がわかります。見るだけでわからなければ、写真のように、ドライバーではみ出てる部分の角度を計ってみるのも一つの方法です。

同じようにカカトのはみ出し具合も確認します。つま先とカカトが同じぐらいの角度であればオッケーです

同じようにカカトのはみ出し具合も確認します。つま先とカカトが同じぐらいの角度であればOKです。


つま先側とかかと側が同じくらいの角度になればOK。

つま先側のビス穴を使うことで、ビンディングをカカト側に下げることができる。

つま先側のビス穴を使うことで、ビンディングをカカト側に下げることができる。


また、真ん中に付けたとき、つま先側に寄っている(つま先側がはみ出ている)場合は、ディスクのネジ穴をつま先側にずらし、ビンディングの位置をかかと側に寄せる必要があります。

逆にカカト側のビス穴を使えば、ビンディングをつま先側に上げることができる。

かかと側のビス穴を使えば、ビンディングをつま先側に上げることができる。


逆に、かかと側に寄っている場合は、ディスクのネジ穴をかかと側にずらし、ビンディングをつま先側に寄せる必要があります。センタリングを調節したら、最後に仮止めしていたビスをしっかりと締めてセッティングは完了です。

セッティング完成です。

セッティング完成です。


お疲れさまでした。

実際にやってみると簡単です!

すでにマイボードを持っている人は、とにかく実際にマイボードでいろいろ試してみて下さい。「セッティングを変えたら、前より滑りやすくなった」というのは本当によくある話です。少し面倒な作業に思いがちですが、実際にやってみるとすごく簡単。「上達して喜んでいる自分」を想像して、ニヤニヤしながらやってみて下さい。

まだマイボードを持っていない人や、スノーボードを始めたばかりでよくわからないという人は、「スノーボードで楽しく滑るには、セッティングも大切」ということを覚えておいて下さい。

スキー場でボードをレンタルするとき、自分にあったセッティングに調節してくれるところは少ないと思います。セッティングの大切さや正しい取り付け方を少しでもわかっていれば、自分で直すこともできるし、レンタルスタッフに調節してもらえるか聞くこともできると思います。

間違ったセッティングのボードに乗っていたら、うまく滑れないのが当たり前。うまく滑れなければ、スノーボードの楽しさは半減してしまいます。正しいセッティングでスノーボードを始めて、「滑る楽しみ」「うまくなる楽しみ」を目一杯味わいましょう!

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