「結果責任」は問わなくともいいものなのだろうか。
日本卓球協会は18日に理事会を開き、アテネ五輪で任期満了を迎えた宮崎義仁男子監督、西村卓二女子監督の人事について協議した。その結果、強化本部の推薦通り、引き続き宮崎、西村両監督に2008年北京五輪までの続投を要請することを決めた。専務理事の木村興治強化本部長によれば、両監督とも要請があれば引き受ける意向を示しているという。
この日の理事会では、監督人事をめぐる非公開の話し合いが長時間におよんだが、女子の西村監督への続投要請に異論は出なかったという。当然だろう。監督の手腕がとりわけ要求される団体戦において、02年アジア競技大会、03年アジア選手権大会、04年世界選手権ドーハ大会と、就任以来すべてのビッグイベントで銅メダルを獲得している。文句のつけようがない。
男子監督の続投に反対意見
議論はもっぱら、男子の宮崎義仁監督の続投問題に集中した。理事のあいだから、続投にかなり厳しい反対意見が出たという。監督の「選考委員会」のような場を設けてはどうか、という意見もあったらしい。無理もないだろう。世界選手権ドーハ大会では団体戦で全敗という日本卓球史上初の屈辱にまみれた。上位12チームでのリーグ戦であったため、ワースト記録(13位)の更新こそ免れたものの、従来のシステムであったならもっと下がっていた可能性もある。だが、最終的には、強化本部の推薦どおりの決着をみたわけである。
もっとも、私は、世界選手権の惨敗だけを取り上げて宮崎監督の続投に反対すべきではないと思う。就任期間の実績を総合的に検証したうえで判断すべきだと思う。そういった観点に立ったとき、私が最も疑問視しているのは戦略の一貫性の欠如である。
2003年に二つのビッグイベントがあった。2月のアジア選手権、5月の世界選手権パリ大会である。アジア選手権から世界選手権までの期間が短く、継続した強化をするには選手は入れ替えないとし、男子は両大会「セット」の選手選考会を行なった。
ところが、宮崎監督は「アジアで振るわなかったら、世界で振るうようにするのが我々の仕事」とまで言い切ったにもかかわらず、アジア選手権で不振だった遊澤亮をあっさりと世界選手権の代表から外した。強化本部長からの強い進言もあったそうだが、選手からすれば「裏切られた」という思いを抱いても不思議はない。