梅村礼=4位
<予選リーグA組 1位>
梅村4-3帖雅娜(香港)
梅村4-1陸雲鳳(チャイニーズ・タイペイ)
<決勝トーナメント1回戦>
梅村4-2王珊(中国)
<準決勝>
梅村1-4范瑛(中国)
<3、4位決定戦>
梅村2-4帖雅娜(香港)
実は、もっとも気がかりだったのは梅村だった。1週間前の全日本団体で大学生や高校生に「金星」を献上していたからだ。しかし、想像していたほど調子は悪くなかった。むしろ好調の部類に入るだろう。
初日の予選リーグでは、今大会の出場選手のなかで世界ランキング最上位(7位)の帖雅娜、世界選手権パリ大会の2回戦で苦杯を喫した76位の陸雲鳳を振り切って1位通過。決勝トーナメント1回戦では、両ハンド強打が持ち味の世界45位の王珊を下した。大会前に熊本で行われたナショナルチームの合宿でカンを取り戻したようで、バックハンドドライブが蘇り、ラリー中のポジショニングの良さ、特に中陣からすっと前に出る動きが目をひいた。
もっとも、身体のほうは万全とはいいがたく、コートサイドにはマッサーが待機し、試合後は右肩にアイシングを施していた。慢性化しているという腰痛がスイングに影響しているのだろう。
体調が万全なら、彼女には世界でメダルを取る力が備わっていると思う。だが、たび重なる試合や遠征のなかでは、コンディションを整えるほうが難しい。だからだろうか、2日目の準決勝、カットマンの范瑛に負けた試合は、ツッツキやストップをもう少し織り込めば崩せたと思うが、ドライブでどこまで攻め切れるかを試しているかのような内容だったのは。
梅村はすでにアテネ五輪から逆算してビジョンを描いていた。本番までに慢性的な痛みが解消できるとは限らない。痛みを抱えながらどれだけ戦えるのか。その折り合いのつけ方を模索しているようにも見えた。