日本人として初めてのナショナルチーム(NT)専属の監督──それがNT男子の宮崎義仁監督だ。2001年10月の就任以来、フルタイムで活動するプロの監督として強化システムの確立に力を注いできた。
だが、就任後、初のビッグゲームとなった昨年の釜山アジア競技大会ではメダル獲得はならなかった。リターンマッチとなるアジア選手権では是が非でも巻き返しをはかりたいところ。代表入りが内定していた3名に、監督推薦の4名が加わった。 推薦メンバーはどのように決めたのか。
監督推薦の1番目は遊澤亮です。過去の成績を見てもらってもわかるように、団体戦にはめっぽう強いですからね。1回目の選考会で4位、全日本が3位、2回目の選考会が2位。いつも安定していて、どんな選手にも対応できるというのは、団体戦には一番必要なことです。
2番目が坂本竜介。プロツアーでは21歳以下で2回優勝してますし、決勝進出も何回かある。僕はシニアでもトップ5には入ると思っていましたが、実績がない。だから選考会に出して、10位以下になるようなことがあったらはずそうと思ってましたけど、結果は優勝と1勝差の4位。もう十分。
それでシングルスは5人ですから(新井周、松下浩二、田崎俊雄を含め)、次はダブルスを中心に考えるか、シングルスの予備的選手で考えるか。ダブルスを考えたときに全日本チャンピオンは倉嶋洋介・木方慎之介組。シングルスでは、全日本でも、2回目の選考会でも木方が上位。これはもう木方を選ばないと、だれも納得しないだろうと。
あと1人の枠は、プロツアーファイナルのダブルスで決勝までいって、ジャパンオープンも優勝した田崎・鬼頭明組。世界での成績を1度ならず2度も見せてくれたということは、出る権利を自分たちで獲得したのと同等だなと。鬼頭はシングルスでは全日本のランクに入っていませんけど、個人戦のダブルス専用で、左利きでミックスでも使えると。
それ以外に候補になったのは、大森隆弘(東京アート)。1回目の選考会でも強かったんですが、全日本でベスト16。2回目の選考会で3連勝のあとの6連敗という信じられない結果に終わって。こういう弱さを見せられたんじゃ、やっぱり選べない。
あとは岸川聖也(仙台育英学園秀光中)。坂本のダブルスのパートナーとして選びたいという希望はありましたけど、選考会でシニアとやって上位選手にほとんど勝てなかった。まあ、中学3年生だし、来年、再来年に持ち越しだなと。そのほかの選手については、比較して話になるまでには至らなかったというところです。