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クルム伊達公子から学ぶべきこと1

復帰後、シングルス初優勝をしたクルム伊達公子。何がすぐれていて、そこから学べることにはどのようなものがあるのか。第1回は、技術や戦術面からアプローチしてみる。

執筆者:吉川 敦文

クルム伊達公子
復帰後シングル初優勝は18歳の秋田史帆と対戦。倍以上の年齢差だった
2008年6月15日、クルム伊達公子が東京有明国際オープンテニスで復帰後シングルス初優勝を遂げた。決勝の相手は18歳の秋田史帆で、年の差は倍以上。

37歳のクルム伊達公子は、いったい何がすぐれていて、学べることは何か? 第1回目は、技術・戦術面からアプローチしてみます。

クルム伊達公子が11年前より進化した点とは

クルム伊達公子
来てから動くのではなく、来る場所を把握して先に動くのがポイント
11年前と今を比べると、瞬発力という点では少なからず衰えている可能性は十分ある。だが試合中のクルム伊達公子は、それを感じさせない。大きな理由は、相手が打つ前にコースを予測し、反応する能力が良くなっているからである。

解説者などの仕事をしている中で別角度からの理解を深めたことが多分に影響していると考えられる。相手のできることやできないこと、配球や仕掛ける際の癖を把握する能力は、11年間でむしろ進化しているといってもいいだろう。

クルム伊達公子
相手をよく分析することも大切
今の多くの選手は、状況に合わせてポジションを少し前にして、短いボールに素早く反応できるようにしている。クルム伊達公子も同様にポジションを変更するのだが、ある特徴がある。前に行く回数が多いこと、前に行く幅が大きいこと、同時に左右のポジションにも意識を向けていることである。

例えば、右方向に短いボールが来るときクルム伊達公子は、ポジションを前に移動すると同時に、右方向に動きやすいバランスをとったり、右方向へもポジションを移動したりしている。「相手が打つ前の反応」により、伊達公子は動きの速さを作り出しているのだ。

相手が打つ前に、コースを予測し反応する能力はどのように磨かれるのか? 一番のポイントは、「配球とポジション」を意識しながら人のテニスを見ることであるとガイドは考えている。コートやテレビなどで人の試合を見る際には注目してほしい。

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