課題はあるが克服可能

錦織圭はダブルスでもいい成績を残している。とはいえ、ネットプレーは粗削りだ。ネットに詰めるタイミングなど、ダブルス特有の動きが上手だとはいえないと感じる。それでも勝つということは一つ一つのプレーのスキルが高く、また、スピードボールに対応できる能力をもっているから。

サーブは強くないと言われる。確かにトップ選手と比べるとその通りであろう。だが、「サーブ後の処理が早い。打ち込まれるシーンは多いが素早く対応する能力があり、今後ビックサーバーになれなくてもキープ率は上げていける」と増田健太郎の弁。

錦織圭は感謝を忘れない

一日中音楽を聴いているという錦織圭の趣味はゴルフ。その錦織は人に感謝する気持ちをとても大切にしている。披露されるウイナーズスピーチでもそれはよく表れているのだが、とても素敵なエピソードがある。

2007年夏、怪我のためIMGでリハビリをしていた錦織圭は、同じくリハビリをしていた不田涼子、コーチの坂本正秀(アカデミーの先輩)、そして不田涼子の母親と多くの時間をすごしていた。不田涼子とはリハビリという目標を共有し、坂本正秀には友人先輩後輩として共に過ごし、不田涼子の母には日本食を作ってもらうなどしていた。

そして不田涼子ら3人がフロリダを離れる日、錦織圭がその2か月間の感謝の気持ちを形にしたのが「おにぎり」。いま自分ができる最高のお礼をということで考えたもの。錦織圭は初めてご飯を炊き、初めておにぎりを作った。そして、その日旅立つ3人に、3つのおにぎり持って行ったという。

感謝を忘れない気持ちが、ここまで彼を押し上げた根本なのかもしれない。



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■取材協力
増田健太郎:デビスカップ男子ナショナルチームコーチ、全日本テニス選手権シングルス2連覇、MTSテニスアリナー三鷹代表

坂本正秀:錦織圭にとってはニックボラテリーテニスアカデミーの先輩、不田涼子のコーチ、ミキプルーンコーチ

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