強さの秘密3:着地後の時間ロスのなさ、滑らかで素早い足運び

驚くべきは、彼のフットワークにもある。テニスは前後左右に振られるスポーツ。錦織圭はこの時の方向転換がとにかく早い。まるで早送りを見ているかのようなシーンもある。やっと追いついきジャンプしながらスウィングした後ですら、次の動作への移りに時間のロスがない。それは早いだけでなく正確。フォアーのジャックナイフも可能なほど正確にボールに追いつけるというのも彼の強さを支えている。

強さの秘密4:まだ発展途中だが、フィジカルの強さ

彼のアクロバティックなプレーを支えるには、まだまだ体作りが必要であろう。特に心配なのは腰痛だ。とはいえ、既に多くの時間を体作りに当てていると考えられるほど、彼のフィジカル面での能力やフットワーク技術は優れている。

最もドロー数の多いグランドスラムは2週間をかけて7試合を行うのだが、ジェームス・ブレークに勝利した試合、錦織は予選から1週間で8試合目のことであった。これは、すぐれた身体能力がなければできることではない。

強さの秘密5:テニスに打ち込める環境

■コーチ
錦織圭は、2008年1月4日からグレーン・ワイナー(GLEN WEINER)をコーチにつけている。自己最高位は119位で、ニックボラテリーテニスアカデミー出身。ヒッティングが上手で、感情的にならずに常にクール。人脈もある。

■トレーナー
ニックボラテリーテニスアカデミーのヘッドトレーナーの中村豊も忘れてはならない。不田涼子、トミー・ハースなどたくさんのアスリートに信頼されている。

■マネージメント
現在の所属先、「IMG」についても説明したい。IMGは世界最大のスポーツマネージメント会社。ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、マリア・シャラポワをはじめ数々のトップスターが所属する。テニス以外でも多くの選手を抱え、タイガー・ウッズなどもその一人。このIMGのバックアップはとても大きいといえる。そのアレンジ能力により、錦織圭に最高の環境を演出している。

■ニックボラテリーテニスアカデミー
彼が練習するニックボラテリーテニスアカデミーについて。フロリダ州に、東京ドーム16個分という広大な敷地にテニス、ゴルフ、バスケット、サッカー、野球などの設備の整ったプロスポーツ選手養成所(IMGアカデミー)がある。そのテニス部門をニック ボラテリー テニス アカデミーという。

■盛田正明テニス・ファンド
何といっても忘れてはならないのがこの盛田正明テニス・ファンド。ソニーグループを退職した盛田正明氏が個人資産を投じたテニス選手のための奨学金制度。錦織圭は盛田正明テニス・ファンドの支援を受けて12歳でフロリダに留学した。

■音楽
錦織圭を試合会場で見かけるといつも音楽を聴いている。普段も同じのようだ。彼はそれにより独自の世界観を作り出しているのかもしれない。

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