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16年ぶりの衝撃 錦織圭、世界を沸かせる(2ページ目)

錦織圭が世界を沸かせた。日本人男子としての16年ぶりとなるツアー優勝。根拠のある自信、そのテニスの成長スピードをみる。

執筆者:吉川 敦文

目を見張る成長のスピード

ツアー優勝は正直すごい。松岡修造以来16年ぶりの優勝というのもすごい。だが、本当にすごいのは成長のスピードである。

通常、男子のテニスセンスは、フューチャーズ、チャレンジャーと呼ばれるレベルの大会を経て、ツアーに挑戦していく。ツアーに出場する選手の多くは、フューチャーズに出始めてから2年から3年でツアーレベルへ到達しているという。

「駆け抜ける人は一瞬で駆け抜ける。だが、そんな人はほとんどいない。そして、一瞬で駆け抜ける人のほとんどはトップ選手になっている。このスピードでそれをやってのけたということは、彼がトップ選手になれる可能性を意味している」と増田健太郎(プロ指導テニスコーチ)は語る。

ロジャー・フェデラーとの比較

様々なメディアで錦織圭が世界トップへのぼりつめれる可能性について触れているが、実際は今がまさに大切な時。

錦織圭が目標としているロジャー・フェデラーと、本人のデータをいくつか比較してみた。

錦織圭ロジャー・フェデラー
生年月日1989年12月29日1981年8月8日
身長178cm185cm
体重70kg80kg
利き手
バックハンド両手打ち片手打ち
テニスを始めた年齢5歳8歳
プロ転向17歳17歳
ランキング推移16歳 ランキングなし16歳3か月 1504位16歳6か月 1000位17際     603位17歳6か月 561位18歳     286位18歳3か月 123位 16歳 ランキングなし16歳2か月 803位16歳6か月 703位17歳     679位17歳6か月 176位18歳     103位18歳3か月 58位18歳6か月 67位19歳     39位20歳     13位22歳     2位22歳6か月 1位

17歳で両者ともプロ転向を果たし、ロジャー・フェデラーはトップ30位に至るまでの壁をハイスピードで駆け抜けている。錦織圭はそのスピードに対して少し遅れてついていっている。この先はさらに厳しい。世界トップ30に入れるかどうかは、間違いなくここ1~2年が大きな意味を持ってくるはずである。

次回はその可能性を実感するために「錦織圭、その強さの秘密ポイント5」をご紹介します。



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■取材協力
増田健太郎:デビスカップ男子ナショナルチームコーチ、全日本テニス選手権シングルス2連覇、MTSテニスアリナー三鷹代表
坂本正秀:錦織圭にとってはニックボラテリーテニスアカデミーの先輩、不田涼子のコーチ、ミキプルーンコーチ
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