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テニス界に忍び寄るドーピングの影

AIG OPEN開催中にNo.1シードで出場していたプエルタ選手に突如ドーピング疑惑が浮上した。プエルタ選手のインタビューとともに、その真相ならびにドーピングに関する基礎知識を言及したい。

執筆者:伊藤 一幸


ドーピング疑惑が持ち上がったプエルタ選手
ドーピング疑惑が持ち上がったプエルタ選手 画像提供:tennis365.net
AIGオープンテニス大会3日目にあたる5日の晩、プレスルームが突如騒然となり、各メディアがホームページで何かを調べ始めた。「ドーピング」「プエルタ」という単語が耳に入る。今大会の男子No.1シードのマリアノ・プエルタに何か起こったのか?

なんと、ドーピング疑惑浮上したのだ。

同日、フランスの新聞紙面で、今年の全仏オープン時にプエルタが禁止薬物を使用していた可能性を示唆する記事が掲載され、その報道を受け、ATP公式ホームページで「ドーピング疑惑について現在、詳細を調査中」とのコメントを発表していたのだ。

今大会第1シードで2回戦を圧倒的な強さで勝ち上がり、翌日に3回戦を控えた前夜の出来事である。著名選手が欠場するという不運に見舞われた同大会が一転、皮肉にもプエルタのコメント欲しさに世界中の注目を浴びる大会となったのである。一夜にして渦中の人となったプエルタ選手はいったいどんな選手なのか、そして試合後に行われた注目の記者発表の内容を伝えたい。更にスポーツ選手をめぐるドーピング問題について言及したい。

マリアノ・プエルタ選手とは?

アルゼンチン出身の27歳。昨年末のランキングは262位。過去にドーピング検査で出場停止処分となり一時期トーナメントから遠ざかる。しかし、昨年からトーナメントに復帰を果たし、今年のフレンチオープンでは決勝まで進出し、一躍トップ選手の仲間入りをした選手だ。

身長は177cmと体はそんなに大きくはないが、優れた身体能力とコートカバー力、そしてサウスポーから繰り出される強烈なフォアハンドで主導権を握りゲームを組み立てるのがプエルタ流。今ではそのフォアハンドがプエルタの代名詞となっている。多くの南米選手がそうであるように、プエルタもクレーコートを得意とする選手である。

>>次のページではプエルタ選手のインタビューをクローズアップ>>
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