文章 : 吉原浩通(All About「テニス」旧ガイド)
4大大会唯一のクレーコートであり、体力・忍耐力を要するフレンチオープン(全仏)が2004年5月24日(月)~6月6日(日)の日程にてローランギャロスにて開幕しました。
大会の特徴や日本人選手の予選結果、本戦シード選手と見所、観戦に役立つフランス語のコールなどをご紹介します。
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この歴史ある大会は1891年より開催された『
フレンチ選手権
』を前身に、1924 年に『フレンチ国際』 を経て、1968 年より現在の『全仏オープン』に改称したものです。
途中の1915年~19年、1940年~45年は世界大戦で開催されなかったため今回で103年目となる大会です。 |
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■会場 |
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会場となるのはローラン・ギャロス・ナショナルテニスセンター。
フレンチオープンというよりも『ローラン・ギャロス』という呼び名の方が定着しているくらいにこのトーナメントの象徴となっているコートです。
『ローラン・ギャロス』という名称は、この土地を所有していた冒険飛行家“ローラン・ギャロス”から取ったもので、“ローラン・ギャロス”は世界ではじめて地中海を渡った冒険家としても名高い人である。
サーフェスはレッドクレーコート(アンツーカーコート)、粉末状に砕いたレンガを敷き詰めたコートである。
クレーコート自体が激減している日本において、レッドクレーはクレーコートの中でもコート整備が大変である、白いソックス・シューズはすぐに赤茶けてしまうことから営業向きではなく、民間のコートではほとんど見ることができない。
しかし、バックハンドのスライスが滑る時や、遠いボールを滑りながら打つ時のシャーという音はストロークプレーヤーにとってはなんとも言えず心地よい音であり、人気が高い。 |
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■全仏の特徴 |
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2月1日にオーストラリアンオープンが閉幕し、4ケ月近く経ち、選手にとっても久々のビッグトーナメントとなる全仏ですが、最大の特徴は4大大会唯一のクレーコートによる戦いであることです。
ハードや芝のコートと違い、サービスやボレーのスピードが殺されるクレーでは、ストロークの安定した体力・忍耐力のある選手が有利となり過去何回もサーブ&ボレーを得意としている選手やビッグサーバーが早いラウンドで姿を消す場面が観られました。
過去の優勝者にピート・サンプラスやボリス・ベッカー、リンゼイ・ダベンポート、ヴィーナス・ウィリアムズなどの名前がないことでもサーブ&ボレーの選手が勝つのがいかに難しいかがわかります。
□過去10年間の優勝者
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男子シングルス
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女子シングルス
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2003年
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ファン カルロス・フェレロ
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ジュスティーヌ・エナン アルデンヌ |
2002年
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アルベルト・コスタ
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セレナ・ウィリアムス
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2001年
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グスタボ・クエルテン
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ジェニファー・カプリアティ
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2000年
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グスタボ・クエルテン
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マリー・ピエルス
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1999年
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アンドレ・アガシ
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シュテフィー・グラフ
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1998年
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カルロス・モヤ
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アランチャ・サンチェス・ビカリオ
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1997年
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グスタボ・クエルテン
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イバ・マヨーリ
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1996年
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エフゲニー・カフェルニコフ
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シュティフィー・グラフ
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1995年
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トーマス・ムスター
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シュティフィー・グラフ
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1994年
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セルジ・ブルゲラ
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アランチャ・サンチェス
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また、クレームをつける選手に厳しいのも全仏のひとつの特徴である。
クレーコートなのでボールの跡がつき、選手にして見れば、思わず審判にクレームを付けたくなるのですが、ここローラン・ギャロスの観客はクレームをつける選手に非常に冷たい態度を見せます。
時にはクレームをつける事自体にブーイングがおこることがあります。 |
続いて日本選手の予選結果、日本人の本戦出場選手、本戦シード選手の紹介です。