ウェッジ、製造上の個体差とは?

ヘッドの研磨作業は手作業で行われることが少なくない。粉塵が舞い、ヘッドも高温になる過酷な作業
ゴルファーのためのウェッジ選び1」「ゴルファーのためのウェッジ選び2」と2回に分けて、ウェッジの性能面について紹介してきました。ウェッジの性能は、様々な要素によって決まるということが改めて確認できたのではないかと思います。これだけ繊細な側面を持つクラブということを考えると、ウェッジ選びではさらにクラブの個体差についても考慮したいところです。

ここでいう個体差とは、同じモデルにおける製造上の誤差のことを指します。同じメーカーの同じモデル同じスペックのクラブであっても、多くの製造工程を手作業で行うゴルフクラブにはどうしてもある程度の誤差が出てしまうのが現状。ゴルフクラブ自体が、複雑な曲線を描いていることも一因でしょう。

先日、国内メーカーの工場で働いている、この道29年の研磨職人さんに話を聞く機会がありました。「日々の業務でもっとも注意する点は?」と尋ねたところ、その答えは「マスターモデルの形状に忠実に研磨すること」と答えられました。マスターモデルとは、開発者の設計意図を反映したいわゆる完成形。研磨職人さんは軟鉄やステンレスなどの素材から大まかに作られたヘッドたねを、そのマスターモデルに限りなく近いものに手作業で研磨していきます。熟練した職人さんが日々の業務で最も気を使うほど、同じものを作ることは難しいのです。

海外モデルのウェッジに多いのですが、バレル研磨と呼ばれる研磨石とコンパウンドを研磨機にかけて仕上げ研磨を行う方法もあります。加工コストが安価で、一度に大量の加工ができ、作業に熟練を要しないなどのすぐれた点がありますが、残念ながら手研磨による製品と比べると、輪郭もぼんやりしており、品質には差が出てしまいます。

もっとも現在はバレル研磨の丸みのある仕上げに馴れてしまい、それらを好むゴルファーも少なくないようです。

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