ゴルフ/ゴルフクラブ・用品の選び方

ゴルファーのためのウェッジ選び1(4ページ目)

ゴルフでのスコアメイクの決め手はアプローチ。その成否を司るウェッジの性能について3回に分けて、マニアックに紹介。1回目はヘッドの形状、素材、シャフトに至るまで、ウェッジについて深く考えます。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

素材による違いとは?

精密鍛造された軟鉄ヘッド。この後、研磨で形が整えられる。一般的に鍛造は、金属の組織が高密度になるメリットがある反面、重量や形状にばらつきが出やすい
ウェッジでは、素材も性能に重要な役割を果たします。微妙なフィーリングが要求されるアプローチを成功させるために、ゴルファーの好む打感が求められますが、打感にもっとも影響するのが素材。またスピンのかかり方など、性能にも影響を及ぼします。軟らかくフェースにボールが食いつくとコントロールした感じが出るものです。

これまでも多くの素材が使われてきましたが、現在も感触と性能の両面での性能を満たすため、様々な新素材が使われています。もっともポピュラーな素材は、軟鉄とステンレス。それぞれ多くの種類がありますが、軟鉄はS25C、ステンレスはSUS630(17-4PH)ステンレスがもっともポピュラーな素材です。最近は、ニッケルクロムモリブデン鋼などの硬度の強い素材でも作られるようになりました。ボールが軟らかくなったため硬い素材が好まれるとか、溝が食いつく感じが得られやすいといった理由があるようです。

ニッケルクロムモリブデン鋼にあたる組成の物を軟鉄(カーボンスチール)といって販売するメーカーもあります。某メーカーでは、発売当時は軟鉄と表記していたモデルが、次の年のカタログには、ニッケルクロムモリブデン鋼に変更になっていたことも…。素材や製法は、ユーザーにはわからない部分なので、わかりやすい表記をお願いしたいものです。

製造方法は、鋳造と鍛造があります。鋳造のほうが均一性が高く、大量生産に向いているとされますが、鍛造製法では組織が緊密になるためより打感が軟らかくなり、エネルギーの伝達効率も良くなります。あまりポピュラーではないですが、鋳造製法によって作られたヘッドをさらにプレス鍛造する鋳鍛造という製法によって作られるウェッジもあります。鍛造製法では、形状にばらつきが出やすいので、そうしたデメリットを防ぐ意味があります。

日本では、クラブへのこだわりの強い上級者やプロゴルファーは、軟鉄鍛造素材の人気が高いですが、最近では気にしないプレーヤーも多くなっているといいます。

いくつかのメーカーにインタビューしたところ、契約プロと使用素材のチェックを行った結果、ステンレスやニッケルクロムモリブデン鋼との違和感は、ほとんど見られなかったという結果が出ているということでした。
また、鍛造と鋳造でも、ゴルフクラブでの使用で性能が変わるほどの違いはないとするメーカーも少なくありません。

しかし、それが素材や製法に由来するものではないにしても、打感や打音、フェースにボールが乗る様な感触には、それぞれのウェッジで大きな差があります。自分がフィーリングを出しやすい感触の素材を見つけることはやはり大切だと思います。

>>ウェッジのシャフトについて >>
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