シャフト長尺化の歴史
世界的な大ヒットモデルとなったキャロウェイ「グレートビッグバーサ」。当時としては大型の250ccヘッドに45インチシャフトだった |
また、シャフトが長くなるほどミート率は下がるのでミスヒットも多くなってしまいました。その後、カーボン素材の軽量ヘッドやシャフトが登場したもののその点は改善されません。
“関西のドン”と呼ばれる杉原輝雄プロは、飛距離不足をカバーするため、一時期は積極的にシャフトの長尺化を図っていましたが、上記のような理由で、シャフト長尺化はあまり一般に広まる事はありませんでした。杉原プロ自身もある時期からは、45~46インチ程度に留めています。
それまで、43.5インチが標準的だったドライバーが、現在の長さにまで長尺化が進むのは、チタンドライバーとカーボンシャフトが主流になりはじめる15年前くらいからです。そのころには、セイコーの「Sヤード T.301」(45インチ 230cc)や、キャロウェイの「グレートビッグバーサ」(250cc45インチ)、ブリヂストンの「PRO 230チタン」(45インチ 230cc)など多くの人気チタンドライバーが生まれました。
ヘッド体積が250cc弱のチタンドライバーでも、それまでのパーシモンやステンレス製のドライバーに比べてかなり大きくなり、デカヘッドなどと呼ばれていました。スイートエリアも広くなり、平均飛距離が伸びたことで、チタン素材のドライバーは急速に主流となりました。それからシャフト長とヘッド体積は長尺化、大型化を続けていきます。