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アイアンセットのセッティングを極める(6ページ目)

以前はまとめて購入するのが当たり前だったアイアンセット。ユーティリティや単品ウェッジの充実から、幅広い選択が可能になったアイアンのセッティングについて解説します。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

ウェッジの選び方

ウェッジの黒染め仕上げの例(写真は「ブリヂストン Xウェッジ」)
現在ラインナップされているウェッジは、形状はもちろん仕上げにもメッキの種類やメッキを施さないものもあるなど、非常に多くのバリエーションがあります。その中から自分の求めるウェッジを選ぶのは大変ですが、その中でも絶対にはずせないポイントがあるので紹介しましょう。

前述のストロングロフト化によって、以前に比べてアイアンのロフト角は少なくなっています。しかし、例外的にそれほどロフト角の立っていないモデルもあります。上級者向けに設計されているいわゆるプロモデルです。例えばテーラーメイドのr7 DRAWアイアンのPWのロフト角は44度。r7 TPアイアンのロフト角は47度で、一番手近く違います。他のメーカーでもほぼ同様で、おなじPWでもモデルが違えば一番手の飛距離差が出てしまうことになります。

ウェッジを選ぶ一番のポイントは、まずPWのロフト角を把握しましょう。バンカーからの扱いやすさが考慮されているためSWのロフト角は、55~58度でどのモデルも変わりありません。PWとSWの間に一本ウェッジを加えるならその中間のロフトを選択します。PWが47度、SWが56度であれば、AWはちょうど真ん中あたりの51度が最適でしょう。PWが44度、SWが56度であれば、AWは50度です。

しかし、ロフト間が6度というのはヘッドスピードの早いゴルファーにとってはやや間隔が開きすぎています。その場合は、もう1本ウェッジを入れ、44度、48度、52度、56度などとセッティングするとバランスがとれ、距離の打ち分けがしやすくなります。ほとんどのウェッジが現在細かなロフト設定をラインナップしているので、自分にあったロフト角のウェッジを選択する事が可能です。

ストロングロフト化が進めば、結果的に短い番手を追加しなければならないというのは皮肉な話。アイアンは距離を出すクラブではなく、距離を打ち分けるクラブなので、あまり飛んでしまうのも考えものです。

セットでないウェッジを選択するときは、シャフトの長さと重量にも注意しましょう。単品で販売されているウェッジのうち海外メーカーの商品は、日本のものに比べて半インチ長い場合があります。場合によっては単品で追加したウェッジのほうが長くなってしまう場合も……。

また重量にも注意。単品販売されているウェッジは、重めのスチールシャフトが装着されている場合がほとんど。カーボンシャフトのアイアンにセッティングするとバランス的に重くなりすぎてしまい、同じようにショットすることが難しくなるかもしれません。

以上のような話が、複雑すぎてよくわからない場合はセットのウェッジを買い足しましょう。ロフト角や重量のバランスはキープでき、ヘッド形状の流れも良いので大ケガすることはありません。

セッティングが複雑になってしまうのは、ある意味ゴルフというスポーツの奥深さ、面白さを表しているともいえます。細かい数値を毛嫌いせず、まずは自分のアイアンセットのロフト角を把握してみましょう。



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