アイアンのストロングロフト化
他のクラブ同様アイアンセットも日々進化しています。しかし、その進化の過程の中で功罪相半ばするのが以前も紹介したストロングロフトです。ストロングロフトとは、同じ番手でもロフト角を立てること。弾道は低くなりますが飛距離はのびます。現在のアイアンの多くは低重心化をはかる事で弾道は高くなるように設計され、一方でロフト角を立てることによって飛距離性能を向上しています。
ストロングロフトは実際には、以前の7番アイアンに無理やり”8”と刻印して8番アイアンに仕立てているようなところがあります。それでも飛距離が伸びることへの恩恵を受けるゴルファーは多く、また短い番手で打てるという安心感もプレーする上では心理的にプラスに作用するためメリットは決して小さくありません。
一方で、ストロングロフトによって完全に割を食っているのが、ロングアイアンです。短い番手に合わせてロフト角を立てると、もともとロフト角が小さくボールを上げることが難しいロングアイアンの難易度はさらに上がり、一部のハードヒッターを除いたほとんどのゴルファーにとって扱うことが困難になります。
扱えないクラブをバッグに入れるのは得策ではないので、ロングアイアンは最初からセットに入らなくなりました。ロングアイアンを十分に扱えるヘッドスピードを持ったゴルファーだけが買い足せばいいように、3番、4番は単品での販売が一般的になっています。