PGMの新規会員募集
ゴルフ場のドライビングレンジ。練習環境が整っていると嬉しいもの |
前回、前々回と取り扱ってきたゴルフ会員権は、基本的にそれまでメンバーだった人物から譲渡されるスタイルをとっています。会員権仲介業者を介して既存の会員権を買い取り、ゴルフ場には名義変更料を払うという形です。
新規会員募集は、そういった形式ではなくゴルフ場から直接会員の権利を購入。現在は既存のメンバーが少ないこともあり、これからのクラブライフを形作っていく創立メンバーのような気分が味わえます。会員数が少ないということは予約が取りやすいということでもあり、ゴルフ場選択の大きなポイントを満たしています。
ちなみにPGMでは、予約状況を確認しながらメンバー募集を進めていき、予約がとりにくい状況になる前に募集をストップするとのこと。あくまでもメンバー本位の運営方針と言えそうです。
PGMの新規会員募集の特徴は、大きく2点をあげることができます。
1点目は、会員募集価格が通常の会員権相場に比べて比較的安価であるということです。会員権購入の際、もっとも気になるのは価格なのでこれは大きなメリットといえます。その代わり年会費が他のゴルフ場に比べて高めの水準になっています。これは、プレーすればするほど有利になるので、ゴルフを楽しむための会員権というコンセプトに沿った料金設定といえるでしょう。
逆にいえば、年会費は低めで、会員権価格は高騰してくれると、投機重視に都合がよいということになります。しかし、前述のように過去の失敗の印象が根強いため、こうした金融商品のようなゴルフ会員権の利用は、今後ますます廃れていくでしょう。
2点目は、2名記名の家族会員が用意されている点です。自分と他一名の家族(一親等以内)とで、会員の権利を2名分の価格より割安で購入できます(※笠間カントリークラブ除く)。
茨城県行方市の霞ヶ浦カントリークラブを例に挙げると、正会員では164万2500円のところ、家族会員では257万5000円(2007年5月現在)。もちろん会員としての特典はそのまま。家族や夫婦でゴルフを楽しみたいというニーズに対応したサービスといえそうです。
かつては接待ゴルフと中心とした社用族がゴルフ場の主要なプレー層。会員権高騰も接待需要や資産価値向上を見込んだ企業の購入が要因のひとつです。それに対して、家族や仲間とのプレーを重視し、ゴルフをより楽しむことを念頭に生まれたこうした会員新規募集は、ゴルフ会員権の新しい流れといえるでしょう。アクティブなメンバーが少ないゴルフ場では、今後こうした新規募集がさらに登場する可能性も少なくありません。