「うるさい蚊」vs「バカな人」“君子豹変”の舌戦
いよいよ明日、10月1日は武道館を舞台に「K-1 World MAX決勝戦」が開幕する。大会直前のニュース的な話題はあまり取り上げてこなかったこのコラムだが、今回はあえてK-1MAXの寸前に飛び出した魔裟斗と佐藤嘉洋のマスコミ経由の舌戦に込められた真意を分析してみようと思う。
MAXという大会は、毎年世界トップを争うスポーティブでストイックな戦いだけで、十分「売れる」コンテンツである。イロモノ的な選手起用や、選手の過激発言を頼りに視聴率アップを狙うK-1本戦やDREAM、あるいはDYNAMITE!といったFEG主催の各イベントシリーズとは明らかに毛色が違う。だから、この手の一種空々しい“マスコミ向け”のサービスとは無縁のイベントであった。
ところが今年は、この魔裟斗と佐藤の舌戦によって、若干ちがう空気感が漂い始めた気がしたからだ。もし、それがMAXの性質を変質させてしまうような変化であったなら、あまり歓迎するわけにはいかない。
MAX創世記から、唯一無二の日本人エースであった魔裟斗。その“帝王”に引導を渡せるとしたら“中量級のシュルト”佐藤嘉洋ただ一人だろう。184?の長身から繰り出すヒザを武器にK-1 18戦で13勝5敗。 |
佐藤と言えば、多少不用意な発言はあったものの、戦いぶり同様感情をむき出しにすることはあまり無く、むしろ“冷めた”キャラで知られる。今回のような舌戦の主人公になるとは、これまで考えられなかった“地味”な選手でもある。