“年末決戦”は大衆を味方につけたK-1が圧勝

大阪ドーム
6万を越える観衆を飲み込むビッグアリーナ。戦いは選手同士の勝利を越えて、様々な思惑を巻き込んだ団体同士、あるいはテレビ局同士の権益争いに発展しつつある。
年末恒例となった格闘技イベントの生中継だが、老舗の「猪木祭」は迷走の末消滅、結局K-1プロデュースの『Dynamite!!』とPRIDE 『男祭り!』の一騎打ちとなった。娯楽色を前面に立てて“お茶の間”の需要に特化したDynamite!!がそのもくろみ通り関東地区での平均視聴率が20.1%の大台に乗せ、圧勝した。一方、五時間と言う異例の放送枠をとったPRIDE男祭りも10.8%と、業界内での競争にはダブルスコアに近い数字で後塵を拝したものの、全体では三位を記録。まずまず健闘したといえるだろう。

【Dynamite!!放送時間帯の平均視聴率比較】

NHK・紅白歌合戦(第2部)39.3%(↓45.9%)
TBS・Dynamite!! 20.1%(↑19.5%)
フジ・PRIDE男祭り(第3部) 10.8%(↑8.9%)
日テレ・最強のネタ芸人ベスト13 9.5%(↑5.1%)
テレ朝・たけしのTVタックル 7.8%(↑6.1%)
テレ東・元祖!でぶや 3.1%(↑2.2%)
(カッコ内は昨年の数字)

 
Dynamite!!の瞬間最高視聴率は、魔裟斗vsKID戦終了の22:07の31.6%。 PRIDEの瞬間最高は21:05の吉田戦の1R目の25.9%。ヒョードルの判定勝ちの宣告された23:30頃には20.5%を記録した。
視聴率競争の絶対本命である紅白歌合戦は史上初の40%台割れと大低迷。瞬間最高でも47.1%と、初めて50%を割った。格闘技番組をぶつけることでTBSとフジはそれぞれに溜飲をおろした形にはなったが、実質三位に留まったPRIDEあたりは諸手を上げての大戦果とは言い難い。五時間に渡った放送の冗長さなどを指摘する声もあり、これ以上の数値を残そうとするなら、放送日をも含めた抜本的な放送コンセプトの見直しを考えるべきかもしれない。

一方、「Dynamite!!」の叩きだした瞬間最高視聴率31.6%は、紅白凋落の象徴ともなり、十分すぎる結果を出したと言えるだろう。この数値をもって、K-1は『大衆化路線に対する世論の支持』を取り付けたことになる。昨年の曙vsサップ戦が叩きだした瞬間最高視聴率43.0%に続いて、「Dynamite!!」は大晦日の定番を名乗るに足る結果を残したわけで、来年以降もこの形での番組存続はほぼ確定的になったといえるだろう。無論、格闘技コア層はイベント全体の内容に辛口の意見を表明しているわけだが、国政選挙に於ける自民党支持率にも似て、世の大衆心理を掌握するメジャー組織と、前衛層の思惑とが合致しないのは致し方ない事態なのかもしれない。