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大晦日視聴率競争から一月、二大メジャーの戦略を予測 「K-1vsPRIDE」2005年の行方(2ページ目)

熾烈を極めた大晦日の視聴率競争はK-1が圧勝。しかし既に第二ラウンドのゴングは鳴っている。2005年の両団体の水面下での戦略を予想してみよう。

執筆者:井田 英登

K-1:ROMANEXの復活はあるか

なにはともあれ、“勝ち組”となったK-1陣営の「次の一手」は、この数値に裏打ちされたものとなりそうだ。

今年の「Dynamite!!」は総合格闘技を中心としたラインナップとなっており、ホイス・グレイシー、藤田和之、カラム・イブラヒム、秋山成勲、中尾芳広といった錚々たるメンバーがリングに上がっている。また、谷川Pが「勝つまでやらせる」とバックアップ宣言をぶち上げた曙も、今後総合を軸にして可能性を試すことになっていくだろう。さらにMAX枠で参戦している山本KID徳郁や、怪我欠場中の須藤元気なども元は総合のファイターである。これだけの陣容を年末までまた一年間スタンバイさせておくのは、あまりに不経済というもの。PRIDEやUFCへの人材流出はK-1の最も神経質になる部分でもあり、彼らを活躍させる定期的なリングがどうしても必要になってくる。

「Dynamite!!」成功のご祝儀的な意味合いも含めて、昨年5 月に一回開催されただけで頓挫した形のK-1の総合系イベント「ROMANEX」がどうやら息を吹き返すのではないか? というウワサが業界筋では密かにささやかれ始めている。


前回のROMANEXでサップの神通力を粉砕し、半リタイア状態に追い込んだ藤田を軸に、今回の「Dynamite!!」で企画されながら実現しなかった「BJペンvs菊田早苗」戦や「ヒース・ヒーリングvsサム・グレコ」戦などがそのままシフトしてくれば、かなり興味深いラインナップになる。また、デビュー戦ながら活きのいい戦いをくりひろげた秋山やイブラヒムなどは、カード次第では相当なスター性を見せてくれる可能性が高い。(いっそ、両者を直接対決させるというカードも十分ありうるだろう。)

よくも悪くも寄り合い所帯でしかなかった昨年と比べると、明らかに厚みを増した選手層があるだけに、「ROMANEX」が復活するとしたら「Dynamite!!」の余韻が消えきらない早い時期がいいだろう。TV改変期にあたる3月あたりから、昨年開催から丁度一年になる5月辺りに、一つ開催チャンスがあるのではないかと僕個人は見ているが、こればかりは実際に情報がないだけに断言はできないところだ。

また一方では、長く日本テレビ系列で放映されて来た「K-1 JAPAN」がついに姿を消しそうだという話もある。JAPANシリーズは毎回視聴率的には高い数字を出して来ているのだが、猪木祭で格闘技放映に懐疑的になっている日本テレビ側は昨年段階で一回放映打ち切りを検討、ついに今年断を下す事になったようだ。そのためか、恒例になりつつあった一月のJAPAN大会は事実開催されていない。今後電撃的な情勢の変化が無い限り、JAPAN枠のレギュラー放送&イベントは消滅と見ていいのではないかと思われる。(JAPAN GPのみWORLD GPの枠内での存続するなどのケースはあるだろう。)

だが、K-1本体にとっては爆発的な人気が得られず編成に毎回苦労しがちだったJAPANより、何かと“伸びしろ”のあるROMANEXの方がブランドとして立て直しやすい存在ではないかとも思われる。今後JAPANを主戦場とする選手たちの消長を含めて、K-1内部での編成の変化にも注目して行きたいところだ。
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