新素材系が面白い! 管理釣り場のフライパターン

管理釣り場独特のフライパターンにシンセティックマテリアル、いわゆる人造素材を使ったものがある。ユニークなものが多いので、作っても、使っても楽しいフライといえるだろう。特にウレタンフォームやヤーンなどの素材は、それ自体に浮力があったり、水に濡れたときの透過性が高かったりと面白い特長を持っている。それと同時に壊れにくく何度でもキャストを繰り返すことができるため、管理釣り場で必須の手返しのよさを簡単に実行できるのだ。そのため初心者にも扱いやすく、工夫次第で何にでも応用できるので使いこなしておいて損のないマテリアルといえるだろう。それでは、シンセティックマテリアル系のフライパターンをいくつか紹介してゆこう。
 

バックフロートフライとは?

丸い棒状のウレタンフォームをバックフロート状に取り付けたパターンで、ここで紹介するものが基本となる。ボディ用のマテリアルにラビットファーとパートリッジなどのソフトハックルを組み合わせればフローティングニンフに、CDCや薄いビニールなどでウイングをつければスペントスピナーやカディスなどにもなる。様々なフライを作ることができるので、ウレタンフォームのサイズやカラーを何種類か用意しておけばバリエーションは無限だ。
管理釣り場に効く!フライパターン
ウレタンフォームはこのように斜めにカットしておく。ちなみに今回使用したのは14番フックで、ウレタンフォームのサイズはSだ。
ウレタンフォームはこのように斜めにカットしておく。

ウレタンフォームはこのように斜めにカットしておく。

下巻きしたフックに斜めにカットした部分を乗せ、スレッドで固定する。あまりキツク締めすぎると切れるので注意。
下巻きしたフックに斜めにカットした部分を乗せ、スレッドで固定する。

下巻きしたフックに斜めにカットした部分を乗せ、スレッドで固定する。

スレッドでウレタンフォームの余りを軽く固定したら、ハックルを取り付けておく。
スレッドでウレタンフォームの余りを軽く固定したら、ハックルを取り付けておく。

スレッドでウレタンフォームの余りを軽く固定したら、ハックルを取り付けておく。

ボディを作ったらハックルを巻いてゆく。ボディはなるべく均一の太さになるようにするとバランスがよくなる。
ボディを作ったらハックルを巻いてゆく。

ボディを作ったらハックルを巻いてゆく。

ウレタンフォームをボディの上部にかぶせるようにしてスレッドでヘッドに固定する。このときもあまり強く締込みすぎないように注意しよう。
ウレタンフォームをボディの上部にかぶせるようにしてスレッドでヘッドに固定する。

ウレタンフォームをボディの上部にかぶせるようにしてスレッドでヘッドに固定する。

ヘッドを少しだけ残して余りをカットする。スレッドをフックのアイ後方でハーフヒッチさせてフィニッシュだ。これがバックフロートフライの基本パターン。もちろん、これだけでも釣れるフライだ。
ヘッドを少しだけ残して余りをカットする。

ヘッドを少しだけ残して余りをカットする。

こちらが応用系。左上がバックフロートCDCスペントスピナー、右上がバックフロートニンフ、下にあるのがビニールでウイングを作ったカディスパターンになる。バックフロート系は様々なフライと組み合わせることができるので、ぜひ新しいパターンに挑戦してほしい。

ウレタンウイングフライ

先ほどはウレタンチューブを使ったが、今度はウレタンシートを使ったパターンを紹介しておこう。こちらも同じく様々なフライに応用できるが、ウイングにウレタンシートを使うパターンは夏から秋に掛けてトラウト達がテレストリアルに強く反応するときに効果を発揮するものが多い。シートの厚さを変えることで浮力だけでなく透過性もコントロールできるので好みのものを選んでほしい。では、もっともオーソドックスなウレタンウイングカディスをタイイングしてみよう。
ウレタンウイングカディス

ウレタンウイングカディス

ウレタンシートは薄いタイプを使う。なんとも弱そうな感じがトラウト達を刺激してくれる。フライショップで売っているものの他にも、梱包材に似たような物があるのでそれを流用しても構わない。
ウレタンシートは薄いタイプを使う。
ウレタンシートをこのような感じにカットしておく。後からカットするのでこの時点では長さは関係なく先端がすぼまるような感じにしておけばよい。
ウレタンシートをこのような感じにカットしておく。
フックにエルクヘアカディスと同じ要領でボディを作っておく。ウレタンウイングが落ち着くようにフックの上側のハックルはカットしておこう。
フックにエルクヘアカディスと同じ要領でボディを作っておく。
先ほどカットしたウイングをヘッドに取り付ける。画像では分かりづらいが、最初は緩めに巻き、ヘッド方向にゆくに従ってキツく巻くとウイングがほどよく寝るようになる。
先ほどカットしたウイングをヘッドに取り付ける。
このままでは視認性が悪いので少量の目印を取り付けるとよい。素材はポスト用のマテリアルか目立つ色のヤーンなどでも構わない。
このままでは視認性が悪いので少量の目印を取り付けるとよい。
目印を取りつけたらアイの後ろでハーフヒッチを行いフィニッシュしておく。最後にバイスから取り外しウイングを整形しよう。エルクヘアカディスと同様、フックの全長よりも少し長めになるようにする。形は好みで構わないが、ガイドはV字にカットするほうが結果が良いように感じる。
目印を取りつけたらアイの後ろでハーフヒッチを行いフィニッシュしておく。
これを応用したパターンが下の二つ。黒いものがアント(蟻)でソラックスはパラシュートパターンを使用している。下はダイビングカディスでヘッドを強調するために少しボリュームを持たせている。ウレタンウイングとボディの間に少量のCDCファイバーを取り付けておくことで動きを出すことができるパターンだ。
黒いものがアント(蟻)でソラックスはパラシュートパターンを使用している。
こちらはボディにウレタンシートを使ったパターン。このようなユニークなフライでも、夏のテレストリアルの時期には効果があるケースが多い。アイデア次第で新しいパターンが作れるので、みなさんもぜひこのマテリアルを活用してほしい。
 

エッグ系フライの作り方

エッグ系に使われるヤーンは極細の化繊素材で、フライ用として様々な製品が販売されている。水に濡れた時の何とも言えない透き通り具合と、柔らかそうな存在感が独特の雰囲気を作り出してくれる。そのため、特にイクラなどの魚卵をモチーフとしたパターンが多く、実際に管理釣り場では王道フライのひとつにもなっているのだ。こちらもカラーによって様々なバリエーションが作れる上、応用範囲の広さも併せ持っている。オリジナリティも出しやすいので、ぜひ楽しいパターンに挑戦してほしい。まずは基本となるエッグパターンを作ってみよう。
エッグ系に使われるヤーンは極細の化繊素材で、フライ用として様々な製品が販売されている。
エッグヤーンは作りたい卵の大きさによって幅を決める。今回使用したカーブフック12番に一粒分ならヤーンの束ひとつだと少し太いので、ホワイトを半分、卵の目に当たる部分用にオレンジを1/6程度用意した。
エッグヤーンは作りたい卵の大きさによって幅を決める。
ヤーンを巻き留める周囲にだけ下巻きをして、ゲイブの真上に束を取り付ける。画像のようにあらかじめスレッドをヤーンの真ん中に通して徐々に絞り込むようにするとうまくゆく。
ヤーンを巻き留める周囲にだけ下巻きをして、ゲイブの真上に束を取り付ける。
スレッドを2~3回転させしっかり巻きとめたら、ちょうどパラシュートフライのポストを立てる要領で横方向からもスレッドで締め込んでおく。スレッドはここしか使わないのでヤーンがしっかり取りつけられたらフィニッシュしてヘッドセメントで固定しておこう。
スレッドを2~3回転させしっかり巻きとめたら、ちょうどパラシュートフライのポストを立てる要領で横方向からもスレッドで締め込んでおく。
ヤーンの束を手でしっかり摘み、画像のように絞り込む。次にハサミでエッグの直径の半分辺りをカットする。このとき一気に切るようにしないと、エッグの形がひしゃげるので注意(わざと不揃いなるようにカットして、崩れたエッグを作るテクニックもある)。
スレッドを2~3回転させしっかり巻きとめたら、ちょうどパラシュートフライのポストを立てる要領で横方向からもスレッドで締め込んでおく。
カットするとフックに巻き留めたヤーンがフレアする。
スレッドを2~3回転させしっかり巻きとめたら、ちょうどパラシュートフライのポストを立てる要領で横方向からもスレッドで締め込んでおく。
丸みをおびたフォルムになるよう、指でヤーンをゆっくり広げてゆこう。
丸みをおびたフォルムになるよう、指でヤーンをゆっくり広げてゆこう。
これでエッグフライの完成。色やエッグのサイズを変えることでたくさんのバリエーションが作れる。

タコフライとは?

エッグフライ
こちらも同じくエッグ系のフライになるが、エッグフライよりもヤーンの透過性を強調したパターンになる。ルースニングで使うフライとなるので、まずはフックに下巻きをしてシンカーを巻きつけておく。下地が必ず透けて見えるので、シンカーはしっかり隠すようにしておこう。
エッグフライよりもヤーンの透過性を強調したパターンになる。
ヤーンを用意する。画像の場合、14番のフックで作っているが、ヤーンの束の1/3程度がちょうどよい感じだ。
ヤーンを用意する。
取り付けるヤーンをアイのすぐ後ろに巻き留める。このとき、ヤーンがフック全体を均一に包み込むようにしてスレッドで固定するのがコツだ。ヤーンを取りつけたらスレッドはシャンクの後端へ移動させておく。
取り付けるヤーンをアイのすぐ後ろに巻き留める。
取り付けたヤーンをフックの後方へ持ってゆく。画像のようにフック全体を覆う感じにしよう。
取り付けたヤーンをフックの後方へ持ってゆく。
次にスレッドでヤーンを巻き留める。このときヤーンにふくらみを持たせることが重要なので、ボディはポッテリした状態を維持できるようにしてしっかり固定する。作業が完了したらスレッドをハンドヒッチでフィニッシュさせ、ヘッドセメントでしっかり固定させておこう。
次にスレッドでヤーンを巻き留める。
ヤーンの余りをカットすればタコフライの完成。水に入るとボディが透けて透明感を演出する。それを利用して赤やオレンジのスレッドで巻くと、中の色がうっすら見えるパターンになる。ボディとスレッドのカラーだけでも様々なバリエーションがある。ヤーンのカラーを2色、3色と使っても面白い。
ヤーンの余りをカットすればタコフライの完成。
これはエッグ系の最終兵器ともいうべきパターン、杉坂研治氏発案の「キンギョちゃん」だ。ヤーンを上手に使うとこうしたユニークなパターンも作ることができる。みなさんも管理釣り場ならではの楽しいフライにチャレンジしてはいかがだろう。

 

無限の可能性を秘めた管理釣り場パターン

オーソドックスなパターンから、シンセティックマテリアルを使ったユニークなパターンまで駆け足で紹介してきたがいかがだったろう? 管理釣り場という特殊な環境では、思いもしないフライにトラウト達が飛び出してくる意外性が楽しめる。ネイティブな環境では勇気が湧かないような変わったフライで釣るのもまた管理釣り場の面白いところだ。みなさんもぜひ、自分ならではのパターンでトラウト達と遊んでほしい。
トラウト
これは最近ガイドが巻いている管理釣り場用のマラブー。リブを強調した細めのボディを透過性の高い新素材系の繊維が包み込むパターンだ。怖いことにトラウト達がなかなかスレないので、1本のフライでほぼ1日中釣れ続くこともあった。みなさんも研究を重ねて必殺パターンを編み出してほしい。

次回も引き続きトラウトチャレンジ編をお届けします。お楽しみに!

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