毎日たまるストレスが、低体温の原因に!?
低体温になる原因とは
医師・齋藤真嗣氏の著書『体温を上げると健康になる』(サンマーク出版)で注目された「低体温」。同書によると「神様が定めた体温は37度」で、36.5度~37.1度が健康に暮らせる体温なのだそう。近年、どうして低体温の方が増えているのでしょうか。その原因は3つのストレスが上げられます。・身体的ストレス……病気やケガ、身体に負担がかかる行為、アレルギーなど、身体が直接受けるストレス
・精神的ストレス……家庭や職場などの日常生活や人間関係において、精神的に受けるストレス
・環境によるストレス……環境汚染や電磁波など、自然界や社会生活から受けるストレス
それら3つのストレスによって、自律神経のバランスやホルモンバランスが崩れ、身体の変化が引き起こされます。自律神経のバランスが崩れると、血流が悪くなります。血管が収縮した状態のままに陥ると、体温が低下してしまいます。また、ホルモンバランスが崩れると、細胞の回復が遅くなり、細胞のエネルギーが低下して熱が発せられません。その結果、体温が下がる、というわけです。
低体温はなぜ不調の原因に?
では、低体温になると、なぜ身体が不調になりやすいのでしょうか。その一番の原因は、免疫力の低下にあります。体温が36.5度を保たれていると、体内の免疫機能がフルに活動しますが、体温が1度下がると免疫力は30%低下するとされています。免疫力が低下すると、カゼなどの感染症にかかりやすくなったり、アレルギー症状が出やすくなったり、あらゆる病気にかかりやすくなったりします。もっと怖いのが、ガン細胞が増加・繁殖するのに最適な温度は35度である、ということ。つまり低体温の状態は、ガン細胞が活発になる環境というわけです。30代女性に多い子宮頸部ガンは、ヒトパピロスという、誰もが持っているウイルスが原因で引き起こされますが、これは免疫力が落ちると増殖します。低体温はガンの増殖を招く、怖い状態なのです。
ヒトの身体は、60兆個もの細胞でできています。細胞の中では、身体によい働きをもたらす酵素が作られます。酵素は温度が高い(48度までは壊れることはないとされています)ほど活性化します。体温が高いほど、酵素は活性化している状態=免疫力が高いということになります。カゼなど、ウイルスが体内に侵入した際に高熱が出るのは、免疫力を高めるため、身体の防御システムが働いているのです。
低体温と薄毛の関係はある?
では、低体温と薄毛の関係について、私の考えを述べてみます。50歳前後になると、動脈硬化になる方が増えてきます。動脈硬化は、血管が細くなっている状態。ですから、血流が悪くなり、低体温の状態になります。同じころから、髪の毛がやせたり、薄くなったりという兆候が出始めます。また、私どもが所属している日本毛髪科学協会の会員のある先生が、「頭皮の温度と薄毛の関係」をお調べになったことがあります。ご自身とご家族・周りの数人のデータということで簡単なレポートだったのですが、「頭皮の温度の低い箇所から脱毛がはじまった」と発表されました。
薄毛の原因には、遺伝もありますし、頭皮の厚さ・やわらかさ、緊張の度合い(こんにゃく頭・石頭)なども挙げられますが、低体温もそのひとつに挙げられるのではないか、と考えます。
次ページでは、低体温を改善して薄毛を予防する方法をお教えします。