20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―
ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》1890年頃 所蔵:ポーラ美術館(ポーラ・コレクション)/写真提供:財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館 |
広大な1階展示室6,000m2全てを用いて開催されているのが、国立美術館のコレクションを核に国内外より600点を超える作品を集めた「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」です。
20世紀以降現代までの作品に焦点を絞り、運動様式や時代の影響などを切り口に多数の作品が展示されています。
例えば「20世紀美術における物とその表現」をテーマにした第1部の第1章「物を描く――静物画の革命」ではセザンヌやピカソなどの作品を紹介。新たな手法、考えにより絵画の可能性を広げていく20世紀美術の起点となる動きを紹介しています。
全体的に丁寧で分かりやすい構成、そして十分な作品数がありますので、ひと通り展示を見ることで20世紀美術の全てが分かる、と言っても過言ではないくらいです。でもこの「ひと通り」がとんでもないボリュームなので、時間には余裕をもって、休憩を入れながらご覧になることをおすすめします。
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コーネリア・パーカー《ロールシャッハ(ヴェラ)》2005年 ガレリア・コロン・XVI/ビルバオ Cornelia Parker, Rorschach (Vera), 2005, GALERIA COLON XVI, Bilbao |
コーネリア・パーカーの作品は、食器や楽器など様々な金属製品が平らにつぶされたものが並んだインスタレーション。元々は重量感のある物質が姿を変えて吊り下げられ、軽々と地面から浮いたように並べられている様子には、重力の感覚を狂わせる不思議な迫力がありました。
これまでに例のない規模で行われている企画展。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
<開催中の展覧会>
【20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―】
■会場 国立新美術館 企画展示室1E、展示室1A、1B、1C、1D
■会期 2006年1月21日(土)~3月19日(月)
■休館日 毎週火曜日
■開館時間 10:00~18:00(金曜日は20:00まで開館、入館は閉館の30分前まで)
■入場料 ( )は20名以上の団体料金
一般 \1,100(\800)
大学生 \600(\400)
高校生 \400(\200)
小中学生 無料
■主催 国立新美術館
■協力 日本航空
【文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」】
新しい表現領域であるメディア芸術の振興を目的とした「文化庁メディア芸術祭」の10周年企画展。
■会場 国立新美術館 展示室2A、2B
■会期 2007年1月21日(日)~2月4日(日)
■入場料 無料
■主催 文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)/国立新美術館
【黒川紀章展-機械の時代から生命の時代へ-】
国立新美術館の設計者である建築家・黒川紀章の主要作を回顧するとともに、現在取り組んでいる世界各国の最新プロジェクトを紹介する展覧会。
■会場 国立新美術館 展示室2C・2D
■会期 2007年1月21日(日)~3月19日(月)
■入場料 無料
■主催 国立新美術館/黒川紀章展実行委員会
詳しくは国立新美術館 ホームページにて。
いかがでしたでしょうか。オールアバウト「アート・美術展」では、今後も様々な美術館をご紹介していきます。お楽しみに!
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