写真には「撮る人」と「見る人」がいる


The Third Gallery Ayaのオーナー綾智佳さん

The Third Gallery Ayaのオーナー綾智佳さん

写真は「撮る人」と「見る人」がいます。今回は撮影をする立場ではなく、写真を見る立場について考えます。「私でも撮れるわ」という写真は、本当にそうなのでしょうか? ただシャッターを切っているだけでしょうか?
今回は、写真を主に扱うギャラリーであるThe Third Gallery Ayaの綾 智佳さんにお話を伺いながら、「写真の見方」について考えます。

 



写真の歴史


写真は1839年に誕生した、とされています。絵画や彫刻といった美術作品に比べて、歴史は浅く、カメラやフィルムなどの機械を介して表現されます。
技術としての写真が発明された当初は、小さな穴やレンズで光を集めて、薬品が塗られた紙やガラス板などに像を映し出すやりかたでした。どうしても作家のテイストや手仕事が入ってしまう絵画や彫刻とは違い、化学的に対象物を記録する写真は、つまり、見たままを再現できる表現です。写真が発明されたばかりのカメラは機械としても大きいもので、撮影する時間も掛かりました。
やがてロールフィルムをつかったカメラが登場し、1920年代には私たちが現在つかっているような小型カメラが広まりました。カメラが持ち運べるようになると、肖像写真(ポートレート)や風景写真だけでなく、写真で「実験」や「ちょっと変わったこと」をしようとするアーティストも生まれました。
同時に、戦争を報道するようなジャーナリズムの世界でも、写真は用いられていきました。幅広いジャンルで、いろんな目的で写真はつかわれ、雑誌やポスターという形で普及していきました。
さらに1990年代になるとデジタルカメラが登場します。皆さんもご存じの通り、パソコンやインターネットによって、画像は誰でも編集・加工できるようになりました。携帯電話にカメラが付属していることが当然で、気軽に撮影ができます。このように私たちに身近になった写真は、アーティストにとっても絵筆をにぎるより手軽な表現方法になっています。