アート・美術展/アート・美術展関連情報

独自のサービスが魅力 横浜美術館(2ページ目)

日経新聞の調査で「実力」1位となった横浜美術館。目を引く企画展や「アーティスト・イン・ミュージアム」「ミュージアム・フェスタ」など独自の取り組みやサービスをご紹介します。

執筆者:橋本 誠

「美術館」という既成概念にとらわれない取り組み

きらりん☆レボリューション
『きらりん☆レボリューション』より
中原杏/小学館
「美術館」と言えば、どうしても歴史的に評価をされた作品や活躍する一流アーティストの作品を見る場所とばかり考えがちですが、それだけではありません。特に近年では、美術館でも美術だけではなく様々なテーマを扱う企画展を実施したり、展覧会の他にもプログラムを実施する傾向にあります。

横浜美術館もその例外ではなく、今年の7月から8月にかけて開催されていた「日本×画展」や現在開催されいている「アイドル!」展を通して特に、その既成概念にとらわれない試みの成果を見ることができました。

「日本×画展(にほんガテン!)」(2006年7月15日~9月20日まで開催)はその目を引くタイトルだけでなく、日本画と関連性を見出せる作風の現代アーティストが、美術館の所蔵する近代日本画の中から作品を選び、自作と関連づけた展示を試みるという手法が独特でした。企画展でありながら、他館より作品を借りてきたり、新たに作品を制作するということだけではなく、所蔵作品を生かした展覧会だったのです。

「日本×画展(にほんガテン!)」特設サイト>>こちらから

10月の展覧会・イベント情報でもご紹介した「アイドル!」展(2007年1月8日まで開催)では美術作品だけではなく、アイドルが登場する子供向けアニメや、写真家が撮影したアイドルや著名人の写真・映像作品、現代アーティストの作品が並び、通常の展覧会とは全く異なる雰囲気に包まれています。

「アイドル!」展特設サイト>>こちらから
2006年10月の展覧会・イベント情報「アイドル!」展記事>>こちらから

川島秀明
「アーティスト・イン・ミュージアム 横浜」で3ヶ月のロングステイを行い企画展「アイドル!」にも出品している川島秀明さんの制作風景
また、美術館では2005年より、アーティストが館内の専用スペースに長期間滞在しながら作品制作、ワークショップ、スタジオ公開、クロストークなど様々な活動を行う「アーティスト・イン・ミュージアム 横浜」(AIMY)というプロジェクトを行っており、上記の展覧会にはそれぞれAIMYでも活動を行った藤井雷さん(日本×画展)と川島秀明さん(アイドル!)が出品しています。

近年では他館でも、様々なかたちでアーティストの創作活動に触れることができる機会を増やそうという動きが増えつつありますが、横浜美術館のように長期間の滞在プログラムと合わせてそれらを行っていく、そこで活動を行ったアーティストの作品を企画展でしっかりと見せていくといった取り組みは珍しいものだと言えます。

「アーティスト・イン・ミュージアム 横浜」特設サイト1(2006年前期)>>こちらから
「アーティスト・イン・ミュージアム 横浜」特設サイト2(2006年後期)>>こちらから

次のページでは、「実力」1位の秘密に迫ります!
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