三姉妹の卒業を描く
シリーズ完結編
旧校舎の"開かずの教室"の封印が解かれ、40年前の亡霊"夢喰い"の伝説が甦った。名探偵・夢水清志郎が辿り着いた真相とは? |
『そして五人がいなくなる』では中学1年生だった三姉妹は、本書において中学校の卒業式を迎えることになる。そんな時の流れからも察せられるように、このシリーズは一種の青春(成長)小説であり、子供の夢を守ろうとする著者の想いが全編を貫いている。そしてもう1つ――随所にマニアックな小ネタを仕込みつつ、著者がミステリーの魅力を若い読者に伝えてきたことは、ミステリー界における甚大な功績にほかならない。謎解きを軸にした前期、キャラクター寄りの後期という変遷はあるにせよ、このシリーズが育成してきた読者層はすこぶる厚い。かくして〈名探偵・夢水清志郎事件ノート〉は現代を代表するジュヴナイル・ミステリーになり得たのである。
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