事件はグロいし、登場人物は変。でも爽快!ダニエル・ペナック『人喰い鬼のお愉しみ』
ユーモラスなキャラクターが楽しい、フレンチ・ミステリー。 |
クリスマスの時期。マロセーヌの勤め先のデパートで、連続爆破事件が起こります。しかも、なぜかいつも彼の近くで。警察に疑われ、彼の周囲はトラブルだらけ。いったい誰が、どうやって爆弾を持ち込んでいるのか?
本書の読みどころは、なんといっても強烈なキャラクター。日曜大工コーナーの担当者でお洒落なおかま・テオと、テオが率いる老人修理工の集団(小爺)、戦争体験を語る夜警、謎の万引き美女、仕事をさぼって日焼けサロンに通いつめる警備員、大昔から書籍コーナーにいる生き字引のような老人などなど、デパートにいるのは変人ばかり。また、マロセーヌの弟妹もカメラや占いのマニアだったり、飼い犬はめちゃくちゃ臭かったり、個性豊か。
果たしてマロセーヌの苦労は報われる日はくるのでしょうか。残酷なシーンもありますが、文章は湿り気がなくユーモラスで、死角を突くような真相も爽快です!
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