国民年金保険料を払う必要がある人は案外少ない
「国民年金をいくら払う必要があるの?」このことを考える前に、まず、自分が国民年金の保険料を払う必要があるのかどうかを考えてみましょう。
【国民年金保険料の支払いについて、わかりやすく動画で解説】
国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上の人であれば、全員加入しなければならない仕組みです。しかし保険料を払う必要がある人は案外少なく、加入者全体の3割程度となっています。
というのも、厚生年金制度に加入している会社員や公務員の方々については、厚生年金保険料の中に国民年金保険料が含まれています。またこれらの人たちの被扶養配偶者についても保険料を払う必要がありません。
国民年金保険料を支払う必要があるのは誰かと言うと、自営業者、学生、無職の皆さんが該当することになります。案外少数派ですね。
令和2年度の国民年金保険料は月1万6540円
国民年金保険料の額は下記のように、年度ごとに変わります(カッコ内は前年度比)。・平成28年度 月1万6260円
・平成29年度 月1万6490円(+230円)
・平成30年度 月1万6340円(▲150円)
・平成31年度(令和元年度)月1万6410円(+70円)
・令和2年度 月1万6540円(+130円)
国民年金については、平成29年まで段階的に引き上げられ、平成29年度に1万6900円で固定されました(平成31年4月~1万7000円で固定)。ただ毎年度賃金上昇率を加味した保険料改定率を乗じて、その年度の額が最終的に決定されるため、金額に差が生じています。
ちなみに、平成29年度については、1万6900円×改定率(0.976)≒1万6490円
令和2年度は、1万7000円×改定率(0.973)≒1万6540円となります。
ちなみに国民年金制度ができた当初(昭和36年)は、月100円(35歳未満)でした。その当時とは物価水準が違うとはいえ、「お得」感がありますね。
なお、厚生年金の保険料額は報酬額に比例するシステムですが、国民年金については、所得にかかわらず全員一律です。そういう意味では、シンプルでわかりやすいシステムとも言えますね。
国民年金独自の保険料免除制度とは
先ほど説明したとおり、国民年金の保険料は所得にかかわらず全員一律です。無職や所得が少ない人だと支払いが困難な場合もあるでしょう。そのため、所得に応じて保険料を全部または一部免除する制度があります。具体的には、以下のように所得に応じて用意されています(いずれも令和2年度)。
・全額免除=支払保険料0円
・4分の3免除=支払保険料4140円
・半額免除=支払保険料8270円
・4分の1免除=支払保険料1万2410円
ただし免除された期間の年金額は、保険料を全額納付した期間に比べると少なくなってしまいます。そのため、免除期間部分については、10年間に遡って納付できるようにしています。これを「追納」といいます。
国民年金の保険料は、自分で保険料を納めるシステムのため、「納めない」という選択もできてしまいます。実際、国民年金の納付率は7割ほどでしかありません。
「未納」は先ほどの「免除」と比べ、将来の年金でも不利益な取り扱いとなることも少なくないため、免除の申請は忘れずにしたいものです。
前納や口座振替で国民年金保険料の割引もあり
さて、毎月の保険料ですが、前納や口座振替で保険料が割引になる制度があります(割引額はいずれも令和2年度)。・現金で1年分前納 年間3520円の割引
・口座振替で1カ月早く払う(早割) 年間600円の割引
・口座振替で1年分前納 年間4160円の割引
など
なお、口座振替1年前納(半年前納も)は前もって申し込みをしないといけません。1年前納、6カ月(4月~9月分)前納については、2月末となっていますので、事前に準備をしておきたいですね。
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