男の夜遊び/バー&ラウンジ紹介

金曜23時、ソファのある隠れ家で.02

麻布十番『ばんげ』は、東京さぬき倶楽部内にある明治時代から続く旧家をパリッと改装したラウンジ・バー。日本庭園と東京タワーを望む低層夜景はふたりだけの特等席だ。

大脇 克浩

執筆者:大脇 克浩

男の夜遊びガイド

和のソファー席から楽しむ低層夜景

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写真は2階の低層夜景が望めるソファー席。これからのシーズンは美しい紅葉とともに季節の移り変わりを感じられる

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写真上/ソファー席から見る東京タワー。写真下/歴史を感じさせる佇まいに思わずうっとり
なされるがまま、美味しい料理とアルコールに身を任せたい。視線には、夜景と彼女の横顔だけでいい。そんな欲望に、毎夜煩悶しているあなた。そして、流行のラウンジバーは音楽が邪魔してどうも、という音嫌いのあなた。訪れてほしいのが、麻布十番『ばんげ』 のソファー席である。

ネオンの照明が騒々しい街路から一歩踏み込むと、虫の響や木々の葉音が聞こえてくる。2階に上がり奥行きのあるローソファーにゴロンと身を投げ出せば、目の前には光と閑寂な都会の日本庭園が織りなす低層夜景が広がる。そのずっと向こうには、この世界観を壊さぬよう控えめに光る東京タワーが見える。

ばんげ』 のソファー席は、ゆったり3組が座れそうな長いローソファーがひとつと個室ではないが通路を挟み大きな大木のオブジェで死角効果を狙ったL字型のローソファーがひとつ。
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写真は同店オリジナルの大吟醸・勇心 飯依比古(720ml/7,350円)
その全てが全面ガラス張りの日本庭園に向いていて、二人の世界を邪魔するものは皆無、ジャズやラウンジ・ミュージックも聞こえてこない。旧家の雰囲気を守るため音楽を排除した世界観は老舗料亭をも凌ぐリアリティだ。

音楽が無ければ、当然、回りの会話が際立ち邪魔に聞こえる。それでも、アルコールと一緒にじっと低層夜景を眺めていると、いつのまにか会話でさえ聞こえなくなるのだから、あらあら不思議。例えるなら庭付きの老舗温泉旅館の客室で飲んでいるみたい? それとも野外レイヴが終わりそのままキャンプ場に居着いちゃった感じ? 言葉足らずですみません。
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