パイプの吸引と手入れ
タバコの歴史やタバコを愛する著名人について書かれた名著『たばこの謎を解く(河出書房新社刊)』。愛煙家ならずとも必読! |
ボウル(パイプにタバコを詰める部分)の底は緩めに、上に行くほど堅く詰めるのが良いとされており、最上部は少し隙間を開け、全体の5分の4くらい詰めるようにする。均一に詰めるのがコツで、この作業は結構難しく、そして面倒臭い。
が、この時間は旨いパイプを吸うまでの期待感を高める溜めであり、慣れてしまえばこれほど楽しい作業もないという。ちなみに僕は極度の面倒臭がりなので、適当に詰め、そして吸う。友人がいる際は「詰めるの旨いね」などと持ち上げて友人に詰めてもらっている。
■点火
火を付ける際は、まんべんなく全体に付けるのが良いとされている。火を付けると、燃えてパイプタバコが上に盛り上がる。次にパイプタバコをタンパーで軽く押さえ付けてから再び、火を付けると良い。
■吸う
ゆっくり一定の肺活量で長めに、コレが吸う際のコツ。強く吸うと、空気の量が多すぎて火の温度が高くなりすぎてしまい、かえってタバコに火がまわらないばかりか、中心部分だけが燃えて周りのタバコが燃えずに残ってしまう。また、パイプは木製のため、パイプを焦がしてしまう原因にもなる。そうすることで、カーボンケーキ(タバコの燃やしカスがこびり付いた層)を形成することができ、ボウルの焦げを防いだり、火持ちが良くなる。
なんてのが吸う際の基本とされているが、これらは高価なパイプをコレクションしたりするマニアの意見であり、もうお腹いっぱいなのに食事を残すなと言われているようで、どうもしっくりいかない。紙巻タバコを例に挙げれば、少し吸って捨ててしまう人もいれば、フィルター近くまで吸う人もいる。なかには吸い殻に再び火を付けて吸う人もいるだろう。要はどんな吸い方をするも個人の自由であり、脳がパイプタバコを欲しているから吸う。パイプの吸い方に敷居の高さを感じてしまい、パイプの楽しみを知らずに終わるのは実にもったいない。
■手入れ方法
吸い終わったら、灰とタバコの残りカスをコンパニオンで取り除く。また、カーボンケーキの扱いも重要で、あまり厚すぎるとボウルのひび割れの原因になる。そのため、リーマーでケーキの層を1ミリ程度に保つのが良いようだ。と言っても、僕はリーマーで掃除なんて面倒臭い作業をしたことがない。今のところパイプのひび割れが見られないことを考えると、気づいたらティッシュか何かで拭き取ればいいのではないか。また、吸口と煙道の掃除はパイプクリナーを使うと便利だ。
掃除が終わったら、パイプラックに置くことで、煙道内に溜まった水分を取り除く。僕は味の違いなんて分からないけれど、パイプを数本所持し、交互に使うことでより美味しくタバコを吸える、なんて報告もある。が、愛煙家にとって吸い殻の掃除ほど煩わしいものはないように、たかがパイプタバコごときに大切な時間を割くなんて、僕はまっぴらゴメン。というのも、パイプタバコを吸う本来の目的は疲れた頭を癒したり、イライラ感を取り除くためであったり、精神を落ち着かせるというもの。吸う姿が格好いいとか、パイプをコレクションしたりだとか、そんなことはどうでもいい。
まあ、パイプなんて数百円から買えるんだから、コレを読んだ読者諸君は一つ、高価なパイプの購入を諦め、パイプを消耗品と割り切り、安いパイプを使い捨て感覚で使用してエンジョイして欲しいものですね。
【関連サイト】
・関連リンク集 デートに最適なバー&ラウンジ
・関連サイト シガーの教科書
・参考サイト フレスコワールド 復刻版