スタートは、日本映画の5本をカウントダウンで。
90年代:日本映画のベスト5
『大誘拐 RAINBOW KIDS』 DVD発売中 ¥4,725(税込)発売・販売元:東宝 |
(1991年/日本映画/上映時間:120min/監督:岡本喜八/出演:北林谷栄、風間トオル、内田勝康、西川弘志、緒形拳 )
・ある夏の日、大富豪の老女が3人の若者グループによって誘拐されるのですが、老女はそれを逆手にとって事件に関わる人々を翻弄するさまを描きだします。誘拐犯が要求した身代金が5千万と知った老女は怒り、百億にしろと3人を従え、自ら身代金強奪の指揮をとり始めるのです。主演の北林谷栄が快活で人間味あふれる老女を好演したメチャクチャ面白い犯罪痛快コメディ映画の傑作!さすがの岡本喜八演出です。
『キッズ・リターン』 |
(1996年/日本映画/上映時間:108min/監督:北野武/出演:金子賢、安藤政信、森本レオ、山谷初男、柏谷享助、寺島進)
・北野作品で最も評価の高い作品は『HANA-BI』でしょう。しかし、ガイドは本作が最も好きな北野映画です。青春時代を共にしたマサルとシンジ。二人はジム通いをはじめますが高校生活も終わり、いつの間にかシンジはボクシング界の逸材に成長していましたがマサルはヤクザの道に……。ちょっとしたきっかけで人生の道が分かれる、「これが青春だ!」(古っ)。
『愛を乞うひと』 DVD発売中 ¥5,040(税込)発売・販売元:東宝 |
(1998年/日本映画/上映時間:135min/監督:平山秀幸/出演:原田美枝子、野波麻帆、小日向文世、熊谷真実、國村隼)
・信じがたいほどの子どもへの虐待シーンが凄まじいので、観る時はある覚悟が必要です。幼児虐待から50年を経て再び過去と向き合うことになります。母と娘の愛憎を描いたこれほどストレートな人間ドラマは久しぶりではないでしょうか。虐待から逃れるため母から離れ、過去を心の奥に封印してきた照恵が、自分も母親になった時、母・豊子に会うことを決意するのですが……。涙、怒り、そして感動!「人生の再生」という隠れたテーマが心を打ち貫きます。
『12人の優しい日本人』 |
(1991年/日本映画/上映時間:116min/監督:中原俊/出演:塩見三省、相島一之、上田耕一、二瓶鮫一、中村まり子、大河内浩、豊川悦司)
・三谷幸喜が監督した『ラヂオの時間』も好きですが、彼が関わった作品(東京サンシャインボーイズの舞台劇を映画化)の中で一番好きで面白かったのは本作です(監督は『櫻の園』の中原俊)。パロディ好きの三谷幸喜は「刑事コロンボ」を「古畑任三郎」に変換(笑)。著作ではビリー・ワイルダーをもじったのか、和田誠から引き継いだのか?「それはまた別の話」も発売しています。本作は陪審員の密室劇の傑作、シドニー・ルメット監督の『十二人の怒れる男』をモチーフに、もしも日本に陪審員制度があったら、という架空の設定のもと集められた人々の姿をコミカルに描いています。とにかく笑えますので、出来れば本家『十二人の怒れる男』を観てからご覧下さい。
『CURE キュア』 |
(1997年/日本映画/上映時間:111min/監督:黒沢清/出演:役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈 )
・日本映画でこれほど深刻な恐ろしいドラマ(怪談とは違います)が出来たことに感動を覚えました。ある時から奇妙な殺人事件が立て続けに発生します。一連の事件に関連のある人物として記憶喪失の放浪者、間宮が浮かび上がります。間宮の事件への関与を確信した刑事は、彼を拘留し尋問を続けるのですが……。マインドコントロールによる殺人を引き起こしていく謎の若い男と刑事の対決を描きながら物語は途方もない恐怖に向かって動いてゆくのです。日本の恐怖映画史上空前絶後の「現代のホラー」映画です。
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