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水野晴郎の『シベリア超特急』におののく!(2ページ目)

映画生誕100年、戦後50年の記念に映画評論家の水野晴郎が映画製作に乗り出したカルト映画。いつしか知らぬ者はいないサブカルチャーのトンデモ映画となった『シベ超』特集です。

執筆者:中野 豊

水野晴郎主演で、演出はすべて、MIKE MIZNO=水野晴郎の監督ネームです。4、7は2003年に上演された舞台作品でDVD化されています。

『シベリア超特急1』 悪魔が乗った殺人列車

シベリア超特急1
悪魔が乗った殺人列車『シベリア超特急1』
第二次世界大戦開戦時、ヒトラーとの会談後の日本陸軍大将・山下泰文(水野晴郎)は、満州行の列車に外交官らと共に乗車しますが、同じ列車に乗り合わせたのはそれぞれが様々な思いを持ったいわく付きの乗客。そして殺人事件が発生します。まるで『オリエント急行殺人事件』です。「どんでん返し」の連発に仰け反りましょう。

・1996年/日本映画
・上映時間:90min
・出演:かたせ梨乃、菊池孝典、アガタ・モレシャン、西田和晃

『シベリア超特急2』 菊富士ホテル殺人メロディ

シベリア超特急2
菊富士ホテル殺人メロディ『シベリア超特急2』
ヨーロッパ視察を終えた山下奉文陸軍大将は、帰国の途上で起きた鉄道爆破事件のため、満州里に足止めされ、シベリア鉄道の一等乗客たちとホテルに滞在することになりますが、再び殺人事件が起るのです。列車内を舞台にした前作から一転し、ホテルの密室殺人を解き明かすことになります。

・2000年/日本映画
・上映時間:106min
・出演:淡島千景、草笛光子、寺島しのぶ(デビュー作)

『シベリア超特急3』 60年目の悪夢

シベリア超特急3
60年目の悪夢『シベリア超特急3』はシリーズ最高作との評判です
超特急という題名を冠しながら、2作目はホテル、本作は豪華客船内の殺人事件で、題名はどうでもよいのか?(笑)という疑念は置いておいて……。船内テレビ局会長・宮城伝蔵(宇津井健)の誕生パーティーが開催されます。が、突如として起きた密室殺人によって事態は急転。その時宮城伝蔵は気が付きます、「61年前のあの事件と同じだ!」と。パーティの主催者・裕美(三田佳子)等が見守るなか彼は語り始めます。戦時中、日本へ帰国せんとする山下陸軍大将を乗せ、東へ向けて疾走する“シベリア超特急”の中で起きた「あの事件」とは?そしてこの客船で起きた事件との因果関係は?

・2002年/日本映画
・上映時間:114min
・出演:三田佳子、宇津井健、内藤武敏、真柄佳奈子

舞台劇 『シベリア超特急4』 監督殺人事件

シベリア超特急4
舞台劇、監督殺人事件『シベリア超特急4』は劇場公開もされました
「シベリア超特急4」のオーディション会場で祝杯を揚げたところ、グラスに仕込まれていた毒薬で命を奪われた監督MIKE。その場に居合わせた全員に犯行の動機がありました。 犯行は未完の台本を模倣して行われたという。しかし、ラストシーンを知る者は、今は亡き監督MIKEだけ……。闇に隠された真相を探る手だてはただ一つ。台本通りに舞台を演じ、物語を完結させる事でした。

・2003年舞台上演
・出演:三田佳子、宇津井健、内藤武敏、丹波哲郎

『シベリア超特急5』 義経の怨霊、超特急に舞う

シベリア超特急5
義経の怨霊、超特急に舞う『シベリア超特急5』
時は1941年。若き冒険家、裕木(片岡愛之助)とその友人・多賀(片岡進之介)は、モンゴルに伝わる義経伝説に夢中になっていました。義経が匿した秘宝を探し当てるべく、裕木と多賀はシベリア鉄道の乗客となります。同じ列車には、山下奉文陸軍大将とその側近、佐伯大尉の姿が。さらに義経の秘宝を付け狙う大陸の馬賊たちも加わって、7日間のシベリア鉄道の旅は不穏な空気をはらみ始めるというシリーズ初の冒険活劇!

・2004年/日本映画
・上映時間:95min
・出演:西田和昭、片岡愛之助[6代目]、片岡進之介、西條三恵、中野良子、岡田眞澄、ガッツ石松

舞台劇 『シベリア超特急7』 汽笛の中で悪霊が鳴く

シベリア超特急7
舞台劇『シベリア超特急7』汽笛の中で悪霊が鳴く
舞台は女性外務大臣の就任パーティ。乾杯の瞬間、MIKE MIZNO 監督がうずくまります(4のパロディ)。監督は酒を詰まらせたたけだったのですが、ある老人が死亡。やがてというか唐突に舞台はシベリア超特急の中へ。そこでもまた忌まわしい事件が発生するのでした……。

・2003年舞台上演
・出演:山城新伍、光本幸子、安井昌ニ、小田切みき、木村奈保子、ザ・グレート・サスケ、中野ダンキチ、西田和昭


4、7が舞台劇で6が欠番。実は「7」の当初の題名は『シベリア超特急007~モスクワより愛をこめて~』でした。題名自体がご存知007シリーズの最高作のパロディだったわけですね。未見のみなさん、いかがですか? 一度は観ようという気分になられたでしょうか? 映画好きがカウチに集まって鑑賞するに相応しい映画ではないでしょうか?


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