北野武インタビュー天才たけしの頭脳に潜入(5ページ目)

劇中、大活躍のたけし人形と北野武 ※合成写真

北野武監督：『こういくだろうな』って、一番予想通りっていうのは江守（徹）さんだね。キャスティングした時点で『どういう役にして笑わせるか？』って台本を書いたから。役者だから、ギャグのやりかたも書いた。
　そしたら創りこんできてくれて、一発でＯＫだった。実はガラガラの玉が出ないのはハプニングだったんだけど、延々やってるし、おかしくて（笑）。キャスティングに関してはピッタリだったね。

Ｑ：現場で発生した予想外の笑いはありますか？

北野武監督：井手（らっきょ）の場合は、あんまりつまらないんで繰り返し「井手博士だよ」って言わせることで『笑うしかないだろう』って状態をわざとつくった、根気強く。実は他にもいっぱい撮ったんだけど全部抜かしたから、『おいら、編集うまいな』って思ったね。
ずいぶん勇気がいることだけど、観客をゴリ押しで笑うしかないって追い込んだわけだから。ほくそえんでる。六平（直政）さんに諺（ことわざ）を言わせるのも現場で思いついて皆でワアワア考えた。急だし、全部覚えきれないから黒板に書いて。

Ｑ：その六平さんが登場する道場の壁の「書」に気づいてしまったんです、「松坂大輔」とか。遊び心ですか？

北野武監督：（声を殺し笑う）んふふ。今の時代、DVDになった時のことを考えて。絶対に止めて見る人がいるから、その人のためのプレゼントってことで。コレ何人書いてあるか探す人がいるからな、きっと（嬉しそうに笑う）。

（「4人、気がつきました」）　北野武監督：おいらもあまりよく覚えてねぇな（笑）。

・逃げの名人?!

・編集の極意 （１）