『LOVERS』来日会見で見どころシーンの裏側を語る(1)
金城武氏の役柄は、剣と弓の達人という設定上、「アクションにも苦労しました。中国の武術ではそれぞれ仕様が違い、刀のさばき方、つるぎなどの細かい違いを扱う基本の型だけを約1ヶ月、練習しました。映画の中で演じるシーンを練習しようとしたのですが、まだ動きが考えられていなかったので、仕方なく基本を一生懸命練習しました。撮影現場では、監督が立ち回りや立ち合いなどの細かな動きをこうこうと説明されて、その場で役者たちが練習をして撮影するんです。その天候の変化の時間内に。僕は多分三人の中で一番スムーズに動けなくて、相当苦労しました」。
一番難しかったのは、「役者同士が斬り合うシーンですね。剣を持って向き合って演技をするというのが辛かった。相手に当たってしまうんですよ…」。これを聞いた会場がシーンと静まり、それに気づかれた金城氏「コレって話してはいけなかったですか?」と監督の顔色を伺う場面もありましたが、監督は微笑みを返すだけ。おかげで話は続きました。「相手がスタントマンの場合はすごく上手に出来て、うまくなった気がするんですね。でも俳優同志だと…やっぱり…僕も怪我させてしまったり、お互いに当たったりして監督になるべく役者同士でやらないようにしていただきたいと、お願いしたくらいです。監督は、それが気になって芝居に集中できないのなら、と配慮してくれました」。そんなに苦労されていたのですね。落馬でケガをした等のニュースがありましたが、そのあたりは触れず…。
金城武/Takeshi Kaneshiroこの首のブルーの紐って…? | 金城武/Takeshi Kaneshiro父親は日本人、母親は台湾人。北京語、広東語、台湾語、日本語、英語が堪能 | 金城武/Takeshi Kaneshiro10月下旬から『ターンレフト・ターンライト』も公開 |
一方、アンディ・ラウさんは、「撮影に入る3ヶ月くらい前からアクションの稽古を始めて、基本の部分を全部習いました。ですので、現場では時間をかけてアクションの練習をすることはなくて、どちらかと言えばお芝居をする方が大切でした。アクションはある程度自分で練習してきたので、芝居に集中することができました」とこちらは余裕の表情。
そしてCGじゃないかと思われる程の体の柔軟さ+アクションを見せるのは、チャン・ツィイーさん。彼女も「撮影の二ヶ月くらい前からアクションの稽古をしていました。アクション監督のお弟子さんがわざわざ北京まで来てくださって、教えてくれました。今まで、刀や二刀流、剣といった武器を使って撮影をしたことはあったのですが、まだ慣れていない部分もありました。でも実際練習する時間がとても多かったので、撮影の時には結構上手に芝居ができたと思います。それからアクション監督が常に私たちを守ってくれたので、そんなに難しくは感じませんでした」。以上が『LOVERS』見どころシーンに関する出演陣のコメントです。
梅林茂/Shigeru Umebayashi『花様年華』『陰陽師』等の映画音楽を担当 | トニー・チン・シウトン/Tony Ching Siu-Tung『HERO』『少林サッカー』等を担当 | 翌日はNHKホールでジャパンプレミアを実施 |
アクション重視の作品か?と言うと、アクション監督のトニー・チン・シウトンさんは「この映画が属するジャンルは前作『HERO』とは全く違います。つまり『HERO』の場合は我々はその物語の中の物語を語っていくという手法を使っていますが、今回は人間と人間の感情という部分を描く物語なので、監督からアクションへの要求もやはりこういった現実味を出すこと」なんです。約二ヶ月にわたるウクライナでの撮影は、天候の変化が非常に激しく、マイナス20度の中での撮影と過酷だったとか。
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