スペインが「情熱の国」といわれる所以は、ここにありという感じの、女性が見たら、きっと心に残る作だと思います。それにしてもスペインのイメージってアントニオ・バンデラスのような濃い目のエキゾチックな男性・女性が多いと思っていませんか?南も旅行するまではそうでした、が!しかし!北欧系等とミックスされているんですね。ですから美男(グアッポ)美女(グアッパ)が多い。特に大都市(バルセロナ・マドリッド・バレンシア・セビリア)の女性。
どちらの作品もスペインを代表する美女が、華麗に、妖しい魅力タップリに演じています。部分的には、お手本にしてもいいかもしれない「狂愛=気の狂ったように激しい愛(広辞苑)」です。南的には、女性同士での鑑賞の方が良いかと思います。いくらなんでも、それは真似できない!と、いう愛情の深さを示すのには、スゴすぎるシーンもあります。ここであーで、こーだと書いてもいいのですが、おそらく女王フアナの本を読んだり、話を聞いた事があるかたなら、想像がつくことでしょう。ちなみに試写で鑑賞していた隣の男性は、そのシーンで「うッ」?って声をあげていました。
ただそれは、(ある意味ネタばれ→)[遺体にキスをすると死者が生き返るということを吹き込んだ人がいたらしいんですね。だからこそ…実行したのだと思います。]
『女王フアナ』で初主演映画となった、フアナ役のピラール・ロペス・デ・アジャラは、この役でスペインのアカデミー的、映画賞のゴヤ賞で最優秀主演女優賞を受賞されています。その美貌…スペイン・マドリッド出身です。他の作品で、もしくは、何かで見たことあるなぁと思わせるのは、シャネルやクリスチャン・ディオールの広告にも登場しているからなんです。
⇒ピラール・ロペス・デ・アジャラ写真そして「カルメン」の方は、1845年に刊行(広辞苑より)された後、ビゼーの有名なオペラ組曲をはじめ、映画、オペラ、舞台、バレエ、フィギュア・スケート等あらゆる芸術的手法にて表現され続けている…いわずと知れた魔性の女。当時、実際にスペインで起こったセンセーショナルな男女の事件を新聞で読んだフランス人作家プロスペル・メリメ(1803-1870)が、インスピレーションを得て書き起こしたという小説。
『carmen.カルメン』でカルメンを演じるのは、スペイン、セビリア生まれのパス・ヴェガ。これがまた美しいのです。ペドロ・アルモドバル監督の『トーク・トゥ・ハー』で劇中サイレント映画"縮みゆく恋人"のヒロインを演じたり、ジャン=ピエール・リモザンの『NOVO/ノボ』にも出演していました。