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『二重スパイ』(2ページ目)

6月7日公開『シュリ』『JSA』に続く南北分断の超大作、最終章。本国では公開週だけで30万人を動員。主演作は必ずヒットする、ハン・ソッキュと若手女優3本柱の一人、コ・ソヨンの豪華共演。

執筆者:南 樹里

★☆INDEX☆★【1】イントロダクション【2】来日会見【3】ストーリー&南の試写後の感想【4】キャスト&スタッフ『公式サイト』▼来日会見
二ハン・ソッキュコ・ソヨン
ハン・ソッキュ“ビョンホは自分の信念を守るために最後まで走り続ける人物です” ――3年ぶりの映画出演でしたが? 演技で一番大事なのはリズムだと思いますが、最初はそのリズムを取り戻すのに少し時間がかかりました。3年ぶり、という点はそれほど重要ではないと思います。私は高倉健さんが大好きですが、『鉄道員』は7年ぶりの映画だったと聞きました。 ――数多くの企画の中から『二重スパイ』を選んだ決め手は? この映画は、分断体制維持のため犠牲にされた南北の人たちを描いています。南北問題は永遠に、何度描いても描き足りない素材ですし、今の韓国や世界の観客に広く観てもらう価値がある作品だと思いました。――『シュリ』『JSA』との違いは?『シュリ』は未来を感じさせる映画、『JSA』は現在を描いた映画でした。『二重スパイ』は80年台を描いた映画で、なぜ過去に設定したのかという点が大事だと思います。あの時代、南北の政治権力者は果たして統一を願ったのか、それとも現状維持が望みだったのか。もしそうなら、そこに犠牲者としての南と北の人間がいたのではないか。その代表がイム・ビョンホではないか。このテーマが作品にうまく活かされて、この作品を観た皆さんが統一という意味をもう一度考え、過去をもう一度振り返って、未来や現在のことを考えてくれれば、この作品は成功だと思います。――南北統一についてはどのようにお考えですか? 韓国国民にとって北朝鮮は、あまりにも近いのでかえって忘れている家族のような存在です。私は北朝鮮に親戚は一人もいない、完璧なソウル市民ですが、一日も早い統一を願っています。――演技に対する考え方を聞かせてください。 『ドクター・ボン』から『二重スパイ』まで、映画の人物はすべてハン・ソッキュです。自分の中にあるものに足したり膨らませたりして、人物を作ります。今のハン・ソッキュにはないけれど、実は中に潜在している面を広げる方法も使います。(省略)一本の映画で少なくとも二つ、観客に深く共感してもらえるシーンがあれば、その俳優はいい演技をしたと私は思います。『二重スパイ』では三ケ所あるかな。――『シュリ』以来、日本でも韓国映画に勢いがあります。 日本のファンに感謝します。これまでに二回ほど、日本のファンが韓国まできてくれて話をしたりしましたが、本当に感動しました。実は数年前までは映画に出演しても、日本のことは頭の中にありませんでした。でも、今では日本の観客の大切さがわかりますし、海外配給の時にはいつも日本のことを考えます。俳優として一番大事なのは観客だし、日本の観客が増えたのは本当にうれしいことです。
コ・ソヨン“スミは、愛さえも自らの宿命として淡々と受け入れるんです”――この作品の意義は? 面白くて娯楽を追及した映画だけではなく、少し何かを考えられるようなテーマの映画が出てきたということに、意味を感じていただければうれしいです。教育的などと言うと少し堅苦しいですが、若い人たちにもそんな目で見ていただけるとうれしいです。――イム・ビョンホとの恋愛はとてもストイックですね。スミは、彼と出会うまでは、自分の感情を押し殺して生きなければなりませんでした。そんな彼女が恋をするんです。リアリティを重視するなら、その愛さえも自らの宿命として淡々と受け入れるはずだと思いました。ですから、普通ならごく当り前のキスシーンすらないんです――今後、挑戦してみたい役柄は?韓国映画では女性のキャラクターがあまりにも限定されています。悲しくて、悲劇的で、大きな声を出すのもダメ。こういうのって保守的だと思うんです。私のところにくる脚本もメロドラマがほとんど。個人的にはスリラーが好きなんです。いずれにしても個性の強いキャラクターを演じてみたいですね。例えば、多重人格者とか、そんな役をやってみたいです。2003年3月27日 ホテル西洋銀座 公式インタビューより抜粋2003年5月29日の来日会見の記事はこちら
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