エイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』)
瞳が印象的なエイドリアン・ブロディ |
会見場に現れたエイドリアンは、黒一色のスタイル。細めの体がよけい細く見える。彼はこの映画のために10キロ減のダイエットをしたとか。静かなトーンで話す雰囲気は、とても繊細な感じで、1973年生まれの29才にしては落ち着いている。SMAPの中居クンは1972年生まれで、エイドリアンより1才年上なんだけど……。
今回の役は実在の人物で、ポーランドの国民的作曲家&ピアニストのW・シュピルマン。だからピアノを弾くことは絶対不可欠。映画の中で最も感動的なシーンでもある、ナチス将校にショパンの曲を弾いて見せる約4分間のシーンは、代役なしでこなしたというエイドリアン。「ピアノは大学でほんの少しかじった程度。撮影に入る前に、1日4時間、約8週間のピアノのレッスンを専門家に受けた。ナチス将校にピアノを弾いて見せるところは、楽譜なしで最後まで弾くことができたので、ピアノの先生にもほめられたし、これからも続けたほうがいいと言われた。でもピアノというのは毎日のレッスンが必要だし、自分はそこまでのめり込むことはできない」ということで、現在はピアノを弾く機会はないらしい。
映画の主人公W・シュピルマンの息子のクリストファー・W・A・スピルマンさんと一緒に |
「こういう役は、そうそうめぐり合えるものではない。だから感謝しているし、後悔はない」と語るエイドリアン。ほんと良かったわよね、作品が好評で。こんな捨て身の想いまでした映画が駄作、酷評もんだったら、ショックで誰かを呪いたくなったかもね。
アメリカでは12月下旬に公開されるこの映画。早くもアカデミー賞有力候補にもなっているそうだけど、エイドリアンの瞳と役者魂に魅せられた私としては、ぜひ彼も主演男優賞にノミネートされてほしいな。
『戦場のピアニスト』アミューズピクチャーズ配給 |
■『戦場のピアニスト』
監督:ロマン・ポランスキー
主演:エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン
2003年2月より全国東宝洋画系にてロードショー
オフィシャルサイト
http://www.pianist-movie.jp