フィリップ・ノイス監督『裸足の1500マイル』
フィリップ・ノイス監督 |
ノイス監督は体も大きいが、顔もデカイ!隣に座っていたドリスさんの倍以上はあった。しかし、態度のほうは控えめな知的な男性と言ったところ。そんな彼が鋭い言葉を発したのは、現在のオーストラリアの首相について。「彼は人種間の憎悪を燃え立たせることで、現在の地位を勝ち得た人」と手厳しい。ここまで政治的発言をしてもいいのか、と聞いていて驚いてしまったのは、平和ボケの日本にいる私だからだろうか。
ノイス監督はオーストラリア生まれだが、80年代後半にハリウッドに進出し、ハリソン・フォード主演の“ジャック・ライアン”シリーズや『ボーン・コレクター』などの話題作を撮ってきた。それがまたどうしてオーストラリアに戻ったのか?という質問に、「これまで約10年間ハリウッドで楽しんだ。半分はアメリカ人で、半分はオーストラリア人。ドリスのお母さんのような立場になってしまった。アイデンティティを取り戻す時期に来ていたから」とその理由を述べた。
アボリジニ・カラーの服を意識して着てきたというドリス・ピルキングトンさん |
14才、10才、8才の少女たちが、お母さんに会いたくて90日間歩き続けた距離1500マイルは、なんと北海道・稚内から沖縄・那覇までの距離に相当するんですって。すごいですね~。私にはそこまでして会いたい人がいるだろうか?とふと思ってしまった。
『裸足の1500マイル』ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ配給 |
■『裸足の1500マイル』
監督:フィリップ・ノイス
主演:エヴァーリン・サンピ、ローラ・モナガン、ティアナ・サンズベリー、ケネス・ブラナー
2003年新春シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー