テクノポップ/90年代以降のテクノポップ

ゼロ年代(1)2000年~ゼロ年代の幕開け(3ページ目)

助手、研究生と三人でゼロ年代音楽シーンをとっても偏った視線で総括して行きます。先ずは、90年代末の流れとゼロ年代の兆候を予感させる2000年から。Primal 、Avalanches、深田恭子、モー娘。・・・

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

■Phoenix『United』(2000年5月)


先生:
United
この時点で既にフランスは注目されていました。フレンチタッチという言葉がどれほど浸透していたかは疑問ですが、Daft Punk、Airは既に90年代末にデビュー。Tahiti80のデビュー・アルバムも2000年。そんな中、Phoenixのこのデビュー・アルバムは摩訶不思議なアルバムです。基本はサビが泣ける胸キュンポップなんですけど、ハードロック的な部分もあり、曲によってはディスコ寄り(リミックスに至っては完成度高し!)だったり、英米的な要素が混合していたり、中途半端でない折衷の美学を感じます。

フェニックス~折衷主義の魔法

▲Sasha & John Digweed『Communicate』(2000年6月)


研究生:
Communicate
この年にはUnderworldの活動を総括するようなライヴアルバムがリリースされました。じゃ、次は何を聴けば…? そんなムードの中、既にイギリスではトレンドだったプログレッシヴハウスが、日本でも徐々にCD化され始めます。このミックスアルバムに収録されたプログレッシヴハウスは、基本的にストイックでダビー。派手派手しいトランスとほぼ同義になってしまった、現在のプログレッシヴハウスの主流とは少し異なります。グルーヴのポイントとなっているのは、各トラックのスムースなファンキーさや、ふくよかでぶっといサウンド。これらはゼロ年代以降の王道テクノにも取り入れられているのではないでしょうか。
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